「オー・シャンゼリゼ」



緒言
 2004年12月発行の「星星峡」に掲載された作品。颯月先生が登場するシリーズ第2弾です。

ISBN C-CODE
出版社 価格 \200
ページ数 25/112ページ 発行年月 2004年12月


「オー・シャンゼリゼ」
主要人物
坂元零司、沢渡颯月(サワタリサツキ)、池辺芹奈
ストーリィ(略)
 零司の父親が経営する喫茶店「海望」の片隅で、一人の青年が沢渡颯月に何やらお願いをしている。颯月は大学でフランス語を教える傍ら、作家活動をしている女性。しかし、「面倒なことはイヤ」と云う性格で、話はまとまる気配を見せない。そんな二人を見た芹奈は、学校で起きたおかしな事件に納得の行く解釈を出した方の勝ち、云うことを聞くこと、と提案した。
感想
 大好きなシリーズの作品。期待して読みましたが、それ以上です! ストーリィは吹奏楽部でのシーンと、「海望」でのシーンに別れます。吹奏楽部に登場する人物は、全て名前が出てきません。これが良いですね。「あの人」とか「あのこと」とか、思わせぶりな表現が、ドキドキ感を増幅してくれます。一人の女生徒の乙女心を描いた展開は、それだけで充分に作品として成立しています。 しかし、これはミステリィ。しっかりと伏線が埋め込まれているのです。何気ない楽器の説明、仕草の描写、その回数などなど。準備万端整ったところで、「海望」へと移ります。爽やかな榊青年は、とても好感が持てる人物。にこにこ度が深くなった後の台詞は凄いですね。こんな台詞から始まって、自分の考えを口にできたらステキだな、と思います。颯月が去った後のシーンは爆笑でしたが、作品に入り込み過ぎて、深読みする余裕は全くありませんでした。 そして、この作品最大のポイントは最後の最後です。絶対気付いてますよね! だって伏線がそ〜ゆ〜風に思わせてますもん。気付いて…いますよね? 書かないところがニクイなぁ。


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