「化石の夢」



緒言
 2004年1月発行の「小説推理」に掲載された作品。微笑ましい作品です。

ISBN C-CODE
出版社 双葉社 価格 \720
ページ数 10/396ページ 発行年月 2004年1月


「化石の夢」
主要人物
峰岸遼太郎、馬渕翔子
ストーリィ(略)
 高校で司書を勤める峰岸の趣味は化石収集。高校三年生になった図書委員の翔子は化石に興味があるのか、ちょくちょく峰岸に絡んできます。翔子に振り回されっぱなしの峰岸ですが、彼女のどこか厭世的なところが気になります。
感想
 ミステリィではありませんが、最後は「成程」と思わせるところがあります。真実、偽り、そして夢。翔子の想いはとてもとても微笑ましいものでした。最後の一文、ナカナカ良い感じ。短い作品だからこそ前半の一文と繋がり、綺麗に纏まります。エピソードもどこか魅惑的(?)で引き込まれます。 化石になる方法、知りませんでした。そんなものが必要だったとは…私は3日坊主ですから無理ですね。 考えてしまったのが「わああああっ」って台詞の一つ前。「……」は、なしなのですね。あれば順番通り、なしだとテンポが変わる。作者の意図したものは何だろう…考えるのはこんな時です。因みに、その直後。「わやだ。」良いですね。



<yuri様のコメント>
 「わああああ」のとこ、やっぱりわかりにくかったでしょうか。あれ、遼太郎の悲鳴なんですよ。ですから「……」は無しで、順番通りなんです。ぐしゃぐしゃされて、遼太郎が発した悲鳴を、先に書いたわけですね。実はもとの形はもっとわかりにくかったらしく、編集さんもあれを翔子の声だと思われたようなので、直したんですよ。でももうちょっとわかりにくかったかな、と。「わやだ」喜んでいただけて良かった。これも編集さんから、関西弁っぽいからわかりにくいかも、と心配いただいたのですが、あそこでは敢えて使いたかったので、通させてもらったところなんです。

管理人のコメント
読者の手元に届くのは試行錯誤の果て。短い作品でも愛情たっぷり注いでるんですね。完成した作品はさぞかし愛しいことでしょう。


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