『空にかざった おくりもの』



緒言
 絵は牧野鈴子。

ISBN 7896-0492-6 C-CODE
出版社 女子パウロ会 価格 \1400
ページ数 116ページ 発行年月 1998年5月


「扉守」
「ぬすんでも ぬすめないもの なあに」
「心?」とか答えを考えさせるタイトルが秀逸。「利口とは呼ばない」って表現が良いですね。
「空色のふうせん」
出番は少ないけれど、おくさんの存在が本来の場所を示してくれますね。
「お山が火をふいたとき」
最後の一文はない方が私の好みです。のんびりした人生を過ごせる人ってすごいなぁ。
「明日も いい天気」
晴れた運動会の思い出より、途中で雨が降ってきた運動会の思い出の方が記憶に残っているなぁ、と思い出しました。
「世界一のたからもの」
このたからものが、ずっと受け継がれますように。
「キーキ・ミーミ・ハット」
一言で世界を変えてしまう台詞と、無駄にならないフォローがステキです。
「わらの家 レンガの家」
昔むかしの人々は、自然災害で家が壊れても、すぐに建て直すことができました。今では色々な問題がそれを許してくれず、住むところを失ってしまう人もいる。そんなことを思い出しました。
「空にかざった おくりもの」
ロマンチックだし、優しいし、格好良いですね。
「王さまと 羊かい」
素晴らしい王様です。他人の世界を解釈し、己の中で受け入れられるのは凄いことだと思います。
「春のとびら」
何となく、ヘルマン・ヘッセの作品舞台と似通った世界が見えました。何故でしょう? 自然を感じます。


『空にかざった おくりもの』
 とても懐かしい印象を受けた作品です。子どもの頃、しかもまだ物事がよく分かっていない頃に読んだ作品を思い出させてくれます。具体的にどんな本を読んだのかは思い出せません。でも、この作品を読んで心が感じた何かは、子どもの頃に感じた何かと同じものの様に思います。


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