「扉守」



緒言
 2004年11月発行の「オール讀物」に掲載された作品。瀬戸内を舞台としたミステリアスな作品です。

ISBN C-CODE
出版社 文藝春秋 価格 \870
ページ数 24/500ページ 発行年月 2004年11月


「扉守」
主要人物
林雪乃,雑貨屋「セルベル」の店主,了斎
ストーリィ(略)
 内向的で大人しい性格の雪乃。登校途中で見付けた一軒の雑貨屋「セルベル」の店主は、片耳に大きなリングのピアスを付けた青年。学校が終わり「セルベル」へ向かう雪乃。途中で友人に声を掛けられたものの、その誘いを強引に断っていた。これまでは完全に言いなりだったのに…。
感想
 主人公の雪乃、このキャラクタのイメージに「ハテナ」がいっぱい沸いてきます。内気な少女かと思ったら、随分ずけずけ物を言う。それって喧嘩売ってるでしょ…としか思えない程のトゲトゲしさ。でも、あれ? やっぱり控えめで大人しい少女…??? と、違和感を覚えたまま読み進んでいったら…なるほどっ! 実に巧く表現されています。「か細い」とか「子ウサギが怯える」と云った表現が、とても効果的。切り替わっている時間もちょうど良い様に思えます。セルベルの店主の言動や学校でのシーンは、凄く気を遣って表現されているのが分かります。忘れてはならないのが犬。犬が居たからこそ、この作品は完璧な収束を見せています。やるなっ!


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