「わが麗しのきみよ……」



緒言
 結城信孝編集のアンソロジー『翠迷宮』に収録された書き下ろし作品。可成り本格っぽい雰囲気が漂います。

ISBN 4-396-33107-X C-CODE 0193
出版社 祥伝社文庫 価格 \600
ページ数 53/401ページ 発行年月 2003年6月


「わが麗しのきみよ……」
主要人物
吉野桜子・若尾先輩・黒田先輩・清水先輩
ストーリィ(略)
 浪速大学ミステリ研究会、通称「なんだいミステリ研」の吉野桜子が翻訳の形をとって3人の先輩に問題を出す形式でストーリィが進みます。夫リチャードが塔の上にある部屋で謎の死を遂げた一年後、妻のヘレナは降霊会を催します。
感想
 『遠い約束』のメンバが帰ってきました…と云うより、こちらの方が先に書き下ろされたみたいですね。舞台は或る意味閉鎖的な空間で、本格の雰囲気が漂っています。その「いかにも」って感じが良いんですね。トリック自体は、まぁ、そりゃすっかり騙されましたけど、それよりも清水先輩の解釈がポイント。あれが作品全体をしっかりしたものに纏め上げています。ところでちょっとした違和感が…吉野桜子「訳」になっているのに、文体からは翻訳の感じをあまり受けないんです。もう一寸翻訳らしい雰囲気・表現にしても良かったんじゃないかと思いました。読みにくくなる難がありますから一長一短なんですけど…。



<yuri様のコメント>
 私にしては珍しく、ちゃんとトリックのある「本格作品」といっていいかと思います。文体について補足を。「桜子訳」としているのはもちろん桜子の冗談で、本当は彼女本来の文体で構わないという設定ですから、あえて翻訳調の文体はつかいませんでした。本当に翻訳だったら、あのトリックは成立しませんからね・・・。

管理人のコメント
補足頂き有り難うございます。折角だからちょっと翻訳調にしても良いんじゃないかな…と思ったんです。
yuri様のコメント
あえて翻訳調に挑戦させてもよかったかなあなんて思ったりしています。で、若尾に「翻訳調が下手」とか言われたりね(^^;)
管理人のコメント
を、それも面白いかも〜♪ 雰囲気的にも面白くなるかもしれませんね。
四季さんのコメント
ああっ、それもいいかも! のちのちまで、いじめられちゃいそうですが。(笑)



<四季さんのコメント>
 一緒一緒! あの解釈が、全体をぐっと引き締めてますよね。トリックにも驚いたんですけど、こっちには本当に目からウロコ状態。うひゃあー…って感じでした(^^)

管理人のコメント
一緒一緒〜♪ あ〜ゆ〜解釈(深読み?)が自然に出来ると読書がもっと楽しいものになるでしょうね〜(^^)


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