マインド1(ウェブ) 「日記」


 日記を書くと云うこと。小学生の頃から、一体何度その機会があったことでしょうか。でも長続きはしません。夏休みの絵日記ですら、最後に纏めて書くのです。サイトをオープンさせ、diaryのコンテンツを立ち上げ、以来一年以上も連続して続きました。それも無理なく。何故だろう、常々想います。

 『はれときどきぶた』という、有名な絵本があります。主人公が日記を書き、先生に見せたら「日記は他人に見せる物ではないから…」と云われます。他人に見せる必要がないからこそ、想いのままを書くことが出来る。ちょっと人には言えないようなことであっても、誰かの悪口だって書けてしまうのです。

 でも、実際に日記を長続きさせている人、実は少ないのではないでしょうか。「最近の若い人たちは日記や手紙を書かなくなった。そのため文章表現能力が低下している。」と云った内容を、数年前どこかで目にした記憶があります。

 ミステリィで被害者の女性の行動を調べる為、日記を探すシーン、とんと見なくなりました。だって書く人が少ないですもんね。一言書かれた程度の手帳を持ち出すのがせいぜいです。

 そんな日記ですが、ことウェブにおいてはとっても盛ん。中でも森博嗣の浮遊工作室は絶大な人気でした。私ですら、ちょくちょく読んだものです。

 しかし、想います。幾ら有名人とは云え、他人の日記を読んで何が面白いの?

 多くの個人サイトで、日記やそれに類するのコンテンツを目にすることができます。あれあれあれ? 日記って人に見せる物でしたっけ?

 より強く想います。有名人でもない人の日記を読んで、一体何が面白いの、と。

 ところが、実際私も書くばかりでなく、読むのです。ネットで知り合った方々のサイトを巡る時、必ず見るのは日記なのです。ネットの世界でない友人の日記は読もうだなんて想いません。貸してくれても断るでしょう。いりません。読みたくない。読む必要がない。でもウェブ上だと読むのです。あれま。これが本当の「日常のミステリィ」。

 当然ながら、ウェブ日記には読者の反応があります。掲示板という便利な物が、その仲介役をしてくれます。ウェブ日記は、読まれることを前提した日記であり、エッセイに近いのだと想います。無論エッセイと雖も毎日読めるとは想えませんけれど。

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