Les Miserables (2007/9/15)
演目
Les Miserables (1回目)
劇団・劇場
東宝 , 博多座 , 1階O列25番
同行者
高坂千春さん , むつぞーさん , みーしゃさん , はれさん
キャスト
キャッチコピー
未来は若者が創る!
グッズ等
プログラムを購入しました。
2003年 山口バルジャンCDキャスト
感想など
ミュージカルにはまって早3年目。ついに劇団四季以外の大きな作品を観る事になり、ドキドキッ。キャストも気になりましたが、それ以上に、レ・ミゼの作品自体への期待と不安にドキドキドキドキッ。
上演前から生オケの音が響き、待っている間も全然苦になりません。博多座も初だったので、じろじろ。と、上演時間。キレのある曲が始まりを、そして作品の雰囲気を伝えてくれます。予備知識がほとんど無い状態での初観劇は、とにかく最初が大事。この曲が一気に引きつけてくれました。 登場する人人人。ん? もしや、これはジャン・バルジャン? ってことは山口さん?! もっとインパクトの強い登場のしかたを期待していたので、ちょっと意外。さらに大人しいバルジャン…。もっと破滅的な、もっと破壊的な役を期待していたので、ん〜?! 一方ジャベールは良い雰囲気。非常にバランスが良くて、読書の感想だったら「完成度が高い」と云いたくなる演技です。そして展開はコロコロ変わり、サクサク進む。「ををっ?!(^^;」。気を抜くとストーリィに置いて行かれそうで、慌てて追いかける。待て待て〜! やがて紳士なジャン・バルジャンが登場。これだ! これは惚れます。と、さらに私の全身がビリビリッと反応する歌声、誰だ?! ファンテーヌのシルビア・グラブさんでした。私の想像できるるトコとは違う世界から声が聴こえてくるようです。この人大好きだ!(^^) どんな重要な役かしらないけど、この人の声はいつまでも聴いていたい、そう感じていた頃にはストーリィにも自然と心が着いていきました。 見せ場は沢山。ジャン・バルジャンが自分の名前を口にすると、感動で全身鳥肌。さらに、数字の羅列があれほど心に響くとは! 山口バルジャンはとにかく格好いい。一番印象に残ったのは、二幕で砦に腰掛けて座っているシーン。台詞はないのですが、その雰囲気、そのオーラは素晴らしかったです。 ジャン・バルジャンに心を奪われても、ジャベールはやっぱり魅力を失いません。二人ともキャラクタは異なるのに、共通しているのは非常に気高いこと。(ときどきバルジャンは「ぉぃ!」とつっこみたくなりますが)ジャベールは特に自分自身に対して真っ正面から向かい合っている様で、向かい合いすぎている様で、そんな不器用なところがステキでした。 新妻エポニーヌは、歌い方に気になるところもありましたが、気持ちがこもっていて、迫力も十分でした。富田コゼットは、一幕はとにかく調子が悪かった様で、「この人の声聴くと現実に引き戻される…」という感じだったのですが、二幕では復活して、綺麗な声を響かせてくれました。よかった。 テナルディエ夫妻は、どちらも或る意味お上手…なのですが、もう少し憎めない奴らだねぇ、という表現をして欲しかったです。手拍子を取るシーンでも、私は一幕でどうしても拍手する気になれませんでした。いかにも悪者〜って感じはしっかり出ていたのですが、その相手に手拍子って…う〜む。 マリウスは見ていてイライラするし、こんな若造(?)のためにバルジャンが危険に〜(><)やだっ と、印象は最悪です(笑) しかも冷酷で自分勝手だし…。この役もむつかしい役ですね。 アンジョルラスは応援してあげたくなる部分があるからOK。仲間達を引きつける、統率力の様な物も感じられました。 子役ではガブローシュが特に良かったです。少し荒さはありましたが、歌も台詞も魅力的でした。 演出は非常に興味深い作品でした。基本的に人間で勝負! 白眉なのが馬車のシーンです。無から有を生む力って凄いですね。私はあの瞬間、確かに大いなる緊迫感の中にいました。たとえ大がかりな舞台装置があっても、それを見せようとはせず、そこに居る人を見せる工夫が感じられ、ごまかしの効かない直球勝負。演ずる人によって、見え方が随分変わってくるのではないでしょうか。 これまでに見た作品の中で、エビータとどこか共通する部分がある様に思います。人間勝負ってだけではなく、何か雰囲気の似ている部分が…。全然違う作品だし、ストーリィも全く違うし、ドコが私にそう感じさせるのかは謎ですが、エビータの良いところと、感覚がシンクロします。何でだろ〜? 他にも一度でいいから観てみたい役者さんが多数出演されているので、是非また観たいと思います。(2007/09/25) |