ミュージカル 李香蘭 (2008/4/12)
演目
ミュージカル 李香蘭 (1回目)
劇団・劇場
劇団四季 , 四季劇場[秋] , 2階1列7番
同行者
なし
キャスト
キャッチコピー
日本と中国。かつて、この二つの国に運命を引き裂かれた悲劇の歌姫がいた。
グッズ等
プログラム、キャストブック、CDを購入しました。CDのキャストは以下の通りです。
感想など
偶然の800回記念公演でした。昭和の歴史三部作の第一弾であり、最も観たかった作品。異国の丘ショックで、名古屋公演を見過ごしてしまった作品を、今、遠征で!
李香蘭こと山口淑子と、川島芳子。二人のヨシコさん。川島芳子を狂言回しに用いた演出は非常に興味深いものがあります。川島芳子を演ずるのは濱田めぐみさん。相当良いです。濱田さんはかなりオトコマエ(?)な方ですし、誰もが認める実力者。ただ、少々「?」と思ったのが、川島芳子の踊りです。何であんなに女性っぽい部分があるのでしょう。川島芳子だったら、もっと毅然とした雰囲気の方が似合いそうです。と考えると、わざと女性的な部分を表現しているのでしょう。川島芳子だって女性。李香蘭は勿論女性。川島芳子が男性的すぎると、両者がかけ離れてしまって対比しにくくなる、ということと解釈しました。川島芳子が男性的、と考えるのは私のイメェジに過ぎませんが…。 さて、李香蘭。漸く野村さんを生で観る事が出来ました。でも、ちょっと想像していたのとは違います。もっと強烈なインパクトをもった声が響いてくると思っていたのですが…あれ? でも、とても心を打ちます。最初から涙がぽろぽろ、頬を伝います。台詞も、歌も、全てに表情を持った表現です。歌でインパクトが強かったのは夜来香。圧倒的でした。キャッツでメモリーを初めて聴いた時以来の衝撃でした。 李愛蓮の五東さんは、アイーダのアムネリスよりもこちらの方が似合ってますね。誰よりも綺麗な声でした。 杉本の芝さんは、とても良かったけれど、もう少し強烈な役の方が好みです。チェやユダの方が芝さん向き? 裁判長の種井静夫さんは目立ちました。この方の声、歌は結構好きです。歌が身体中に響いてきます。 メッセージ色の強い作品で、全てのバランスが良かったため、個々の役者さんにだけ集中する事は殆どありませんでした。アンサンブルも素晴らしく、2幕の最初はダンスに圧倒されます。三木さんの曲は本当にすんなりと心に入ってくるし、ストーリィ的にも大切にしなければならない作品です。 ただ、少し説明的すぎる感じもしました。歴史をあまり知らない人が殆ど(?)という現実から、やむを得ないとは思います。思うのですが…。 一方で、この内容でちゃんと理解できるできるだろうか、と不安も抱きます。 それでも、ただただ、「徳を以って 怨みに報いよう」の言葉だけ持って帰れば、この作品を観た意義はありそうです。(2008/04/14記) |