ライオンキング (2008/7/20)



演目
ライオンキング (2回目)
劇団・劇場
劇団四季 , 四季劇場[春] , 1階F列10番
同行者
Kさん、TKさん
キャスト
ラフィキ 金原 美喜
ムファサ 深水 彰彦
ザズ 雲田 隆弘
スカー 栗原 英雄
ヤング・シンバ 成瀬 翔太
ヤング・ナラ 森本 芽衣
シェンジ 池末 江已子
バンザイ 韓 盛治
エド 奈良阪 潤紀
ティモン 黒川 輝
プンバァ 福島 武臣
シンバ 瀧川 響
ナラ 江畑 晶慧
サラビ 松下 沙樹
男性アンサンブル 布施 陽由
南 晶人
白瀬 英典
武智 正光
川畑 亮
平田 郁夫
大竹 康平
星野 光一
内御堂 真
深掘 拓也
藤山 大祐
前田 員範
ユ ホンチョル
浜名 正義
女性アンサンブル 福嶋 美加
合田 友紀
江寿多 知恵
原田 真理
山西 里奈
鳥海 いくえ
木内 志奈
市川 友貴
梶田 祐紀恵
岩沢 英美
園田 真名美
吉田 夏子
オーケストラ指揮 時任 康文
グッズ等
プログラムを購入しました。
感想など
 面白かった!! 前回の印象はさほどでもなくて、人間でないものの表現に違和感というか、人で勝負して欲しいと思ったのですが、良いじゃん! すごいすごいすご〜い! 子供に見せたいミュージカルとして、四季が10年におよぶロングランを続けている作品。続く事には理由があります。実に巧みに演出されていて、変化に富み、子供ならずとも圧倒されるものがあります。

 ラフィキの第一声で始まるライオンキング。と、客席のなかからそれに呼応する声。びっくり! 前回観た時の記憶が楽しいくらい消失していて新鮮です。それから子供たちのざわつき。そう、動物たちが客席の中からどんどん出てくるんですね。これは流石に覚えていましたが、振り向いても全然OK! ざわついても良いじゃん! そんな作品、そうそうないですねよ。動物の動きは実に精巧で、それでいて、人である事を隠さない。この演出を考えた人はすごいですね。女性でしたっけ?

 シーン毎の区切りが比較的しっかりしていて、分かりやすい作品です。音量が大きめなのも特徴で、スピーカの真ん前だったので、耳が痛かったです、が、それも観ている人を引きつける一つの要因となります。音の大小も効果的で、雰囲気とシーンに合わせて伝わってくるので、作品に入り込みやすくなっています。

 ヌーの大群が押し寄せるシーンは、前回すこし見えない部分があったのですが、今回はばっちり見えました。遠近感を出しているのが単純だけど、単純だけに、とても印象的でした。あそこは涙、涙でしょ(^^;

 何で、そりゃ、ムファサがとても良かったんですよ。最高! 深水さんって、私にとってはスカーを演じているという印象なのですが、調べてみたら前回観た時も深水スカーだった様です。大きいです。優しいです。そして歌も演技も全てにおいて丁寧です。これは激しく良い! 深水さんはかなりの回数この役を演じていると思いますが、これほど丁寧に同じ事を高い水準で繰り返せる。プロですね。
 ということで、もうあのシーンは早々に涙涙、だったのですよ(^^;;;

 少し戻って金原ラフィキ。とても重要な役です。第一声を聞いた瞬間、大丈夫だ、と安心しました。ラフィキの声が良くなかったらライオンキングが始まらないですもん。金原さん、多分韓国か中国の出身だと思いますが、良い声でした。日本語を話す機会も少ないし、声の良いアジア出身の方がゲットしやすい役ですね。逆にラフィキから脱出するのも難しいと思います。この声を活かして頑張って欲しいです。

 雲田ザズー。特に何かが印象に残ったわけではありませんが、ザズーのキャラクタがしっかりと伝わってきました。私はザズーが好きなので、不満を特に感じなかったということは、良いザズーです(笑)

 栗原スカーは素晴らしいです。観ていて、栗原さんじゃないです。スカーです。すごい偶然ですが、前回のスカーも栗原さんでした。悪者役って、ど〜も私はツボらしく、応援したくなっちゃうんですよ。ディズニーの様な海外のストーリィは、勧善懲悪がしっかりしているので、悪役は悲惨な末路を辿るのが普通です。だから余計に応援しちゃうって! 迫力もあるし、私だったらスカーを応援しちゃうよ、スカーに付いていくよ! だって可哀想ジャン。ムファサもさぁ、もうちょっとスカーのこと考えてあげれば状況変わってるよ?! シンバに甘い顔しすぎだって。などなど、もう作品に、ストーリィにケチつけまくり(笑) 栗原スカーは激しくスカーそのものです。迫力もあるし、子供にとっては「ワルモノ」と印象づけられるだろけれど、それくらいスカーなんです。

 ヤングのお二人は、まぁ、ぼちぼち。歌は悪くないですね。ヤング・シンバはもう少し踊れたら良いですね。子役といえど、一幕の主人公ですから大変な役です。少し身体を鍛えてダンスを覚えると、シンバが大きくなるでしょう。

 ハイエナ三匹は、作品にしっかり染まっている感じでした。イヤな奴だなぁ、と思わせるのと同時に、憎めない感じが伝わってくるのが重要。やや鼻につく感じでしたが、それくらいでちょうど良いのかな。

 ティモン・プンヴァは普通に良かったです。何が普通って…方言がないよぅ(^^; こればかりは仕方ありませんが、名古屋弁の印象が強かったので、少し淋しかったです。しかし特にティモンの動きは秀逸ですね。時々「カチン!」とくる台詞を言ったりもするのですが、憎めないキャラです。悪気が無いのが分かるから、かな。

 さて、瀧川シンバ。良いです! 激しく良い! ダンスはかなり大きく、浮き上がって見えます。それよりも何よりも、声が良いです。惚れました。「終わりなき夜」でしょうか、シンバがしっとり歌うシーンです。ものすごく綺麗な声。身体に染みこんでくる様な声です。この曲と共に大好きになりました。この声を別の作品でも聴きたくなりました。日本語の発声が上達すれば、他にも主役級の役が回ってくると思います。この声は魅惑的だ…。

 江畑ナラは、ちょっとシーンによって弱かった印象です。ナラはお姉さんで、強い役であり、同時に優しい役。もう少し強いナラであって欲しいです。強い、とは、台詞一つでも印象として変わってきます。良い部分も多いのですが、全体としてぼんやりしたナラになっていた感じ。強さがあってこそのナラ。強さが伝わってくるから、優しさが大きな意味を持ちます。がんばれ!

 と、まぁ、暑苦しく色々語りたくなるくらい印象的な舞台でした。特に(繰り返しになりますが)瀧川シンバの声は、その名の通り、心に響きます。同行者のTKさんも同様に反応した様でした。この作品を他の人にも観て欲しい。この声を他の人に聴いて欲しい。そして熱く語りませんか! って感じでした。 (2008/7/27記)

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