エリザベート (2008/8/9)



演目
エリザベート (1回目)
劇団・劇場
東宝 , 中日劇場 , 1階9列10番
同行者
Kさん,TKさん,ixchanさん
キャスト
エリザベート 朝海 ひかる
トート 山口 祐一郎
フランツ・ヨーゼフ 鈴木 綜馬
ルドルフ 涌井 健治
少年ルドルフ 太田 力斗
マックス(エリザベートの父親) 村井 国夫
ルイジ・ルッキーニ 高嶋 政宏
ゾフィー 寿 ひずる
マダム・ヴォルフ 伊東 弘美
ルドヴィカIエリザベートの母親) 春風 ひとみ
キャッチコピー
新エリザベート登場
グッズ等
何にも買ってません。
感想など
  久々の東宝ミュージカル。どのキャストで観るか散々迷って、人外の山口さん、まだ観ぬ恋人綜馬さん、そしてエリザベートは朝海さん。れっつご〜!

 キャストはさておき、先ずは初見の作品なので、ストーリィと演出。ストーリィは非常に興味深くて、オーストリア、ハプスブルク家、そしてエリザベート。そこにトートを組み合わせるのはナカナカ秀逸だったと思います。が、演出は時々、激しく微妙(^^; トートの登場も微妙でしたが、まぁ、それは良し。呆気にとられたのが、シシィが木から落ちるシーン。…あれはないでしょ、あれは(^^;;;

 それでもすぐさま現実、というか舞台の魅力に引きずり込んでくれたのは山口さんでした。あの曲は良いですね! レ・ミゼラブルのバルジャンよりも、山口さんに合った役だと思いました。ただ、少しエコーをかけすぎじゃないかい(^^;

 山口さんの音は全部エコーだもん。そこまでしなくても、十分アヤシイから大丈夫なのに。エコーは基本的に好きですが、効果的に使って欲しいです。

 朝海エリザは、最初の少女時代、激しく不安でした(どきどきっ) やばい、失敗したか(^^; とさえ思うほど、"少女を演じよう"として拙くなっている感じ。

 不安が安心に変わったのは、トートと対決する姿勢を明らかにした時から。奔放な少女から強い女性に代わり初めてからは不安も消え、逆に魅力が前面に出てくる感じでした。  綜馬さんは、実に上手い。確実に若者→老人へとオーラが変わっています。役的に非常に中途半端なため、位置づけがとても難しいと思います。弱かったり強かったり、マザコンだったり。個人的に好きなのは、綜馬さんの力強い、リズムに乗った歌声。一幕最後は、あれこそミュージカルの真骨頂♪ もっと楽しい役の綜馬さんを観たい気持ちでいっぱいです。

 主役級の3人もさることながら、脇を固める人たちが素晴らしい舞台でした。これ、激しく重要です。ゾフィーの寿さん、素晴らしい存在感と各自つん演技でした。マックスの村井さんも、とても良い味を出していました。期待通り。

 期待を遙かに上回って印象に残ったのが、ルドルフ。少年ルドルフはこれまで観た子役の中で一番ステキでした。感情表現を必要とされる二幕の歌も完璧。本当に魅力的でした。それを受け継いだ涌井ルドルフも素晴らしい! トート閣下と二人で唄うシーンは惚れ惚れしました。良いねぇ(^^)

 忘れてならないのが、狂言回しルッキーニ。高嶋兄。あの役作りは、私の許容範囲すれすれです。あれ以上崩されると耐えられません。が、その許容範囲内で実に魅力的。七変化と云いたくなるくらい、つぎつぎと姿を変え、またそれが様になっていました。さらに台本の妙、暗殺者に巡ってくる流れが巧みで、高嶋さんもうまくその流れに乗っています。かなりのインパクトでした。

 全体を通して音楽が魅力的な作品でしたが、一方で、単独の台詞がとても多かったのも印象的でした。(2008/8/16記)

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