オペラ座の怪人 (2009/1/17)
演目
オペラ座の怪人 (3回目)
劇団・劇場
劇団四季 , 大阪四季劇場 1階C列20番
同行者
Kさん , TKさん , ixchanさん
キャスト
キャッチコピー
劇団四季のオペラ座の怪人は凄いらしい
グッズ等
何も買っていません
感想など
初オペラ座から2年8ヶ月、再び村ファントムに出会うことができました。何も分からなかった最初と比べると、随分落ち着いて観る事ができましたし、自分自身の解釈もある程度固まってきていたので、思う事も多かったです。
改めて感じた事は、この作品は、本当に素晴らしいです。まだまだ、全然この作品を消化できていませんが、やっぱり何よりも曲が素晴らしいです。オークションから登場するオルゴールの音色、あの音を聞くだけで、本当に鳥肌が立ちます。クリスティーヌが舞台に立った時の反転する演出、シャンデリアや神出鬼没の怪人、地下に降りる階段の表現などが完璧に調和しています。また作品の中で演じられる演目も、とても魅力的。最初のハンニバルや、IL MUTOなど、大好きです。客席、劇場全体を作品に取り込んでしまう偉大な作品と、改めて感じました。今回、IL MUTOのシーンで、ウバルドの動きをメインに見ていたのですが、そのコミカルな動きに笑いをこらえるのが大変でした。(笑うシーン、ではないですよね(^^;) あの顔のお化粧、杖をついて腰を落とした歩き方、卑屈そうな感じの裏表。この一シーンだけでも、もっともっと観るべきところがある様に思います。本当に、本当に、大きな作品でした。 村さんは、とにかく声が良いです。怪しさと怖さを感じる怪人が現れます。声がとても特徴的なので、すぐに「あっ、村さん=怪人、だ!」と気付きます。怪人は、格好悪いから格好良い、と思います。村ファントムはその印象を強く受けます。特に仮面を剥がされた村ファントムは、近寄りがたい雰囲気で、孤独さや悲しみのオーラをまとっています。さらに怒りを含ませた声が響くので、とても感情移入してしまいます。少し気になったのが、もう少しメロディを崩さず、丁寧に歌って欲しい、ということ。大きな曲ほど、気合いが入りすぎるのか…。 苫田クリスティーヌは、この役では初見。序盤、カルロッタの代わりに主役を演じるところ、とても気になりました。これは諸カルロッタと二人セットの問題なのですが、諸カルロッタはとてもスマートな歌い方。苫田クリスティーヌは、気合いが入ると、ちょっとクセが出てきます。 私はこのシーン、カルロッタには極端なくらいアクが強い歌い方を、逆にクリスティーヌにはとにかく無垢で純粋なソプラノを響かせて欲しいのです。が、今回はあまり差がない感じ。クリスティーヌが初めて歌声を響かせた時、ドキッ、としたいです。その後も全体的に、苫田クリスティーヌは声が低い時や、声がちょっと通らない時、などあった様に思います。 と、何か悪い事ばかり書いていますが、全体的にはかなり良かったと思います。特に、全体的に表現が分かりやすいのです。時に凄く気合いが入っていて圧倒されたり。実はちょっと苦手な役者さんだったのですが、少し印象が変わりました。一番良かったのは、お墓の前で歌うシーン。父を思う心が強く伝わって来て、パワーもありました。 鈴木ラウルは予想通り、ラウルらしい雰囲気を持ったラウルでした。特定の何かが良かった、という訳ではありませんが、常にラウルらしい空気をまとっていました。もう少し歌が落ち着くと、さらに良くなると思います。短い台詞の歌が、ちょっとたどたどしい時がありました。 メグ・ジリーはとても大切な役なので、もう少し表現がしっかり伝わって来て欲しかったです。 戸田マダムは安定してます。ちょっと可愛いところが出てしまうシーンがあるのですが、それもまた悪くないかなぁ、と思います。クールなマダムがマスカレードをみんなと一緒に踊る様は微笑ましい物がありました。 その他の男性陣では、ムッシュ・フィルマンを演じた岡さんが、無茶苦茶素晴らしかったです。もう、完璧! 声が安定して出ています。それに、細かな眉の動きなど、しっかりフィルマンになりきっていたと思います。いつの日か、怪人を演じる、なんて日もあるのでしょうか? 今回、実質的には前から2列目の真っ正面だったため、とにかく首が痛かったです(^^; 一幕途中から激しい肩こり。途中から痛い…幕間ではすでにビキビキに固まっていました。翌日、まさか"筋肉痛"になろうとは予想だにしていませんでした。今度はもう少し後ろで観ようかな、と。 (2009/1/18記) |