Les Miserables (2009/3/21)
演目
Les Miserables (3回目)
劇団・劇場
東宝 , 中日劇場 , 1階12列11番
同行者
Kさん , TKさん
キャスト
キャッチコピー
未来は若者が創る!
グッズ等
特に何も購入せず
感想など
念願だった今井バルジャン。名古屋での公演、何故か今井さんは平日の出演が多く、土日はこの日のこの回だけ。ixchanさんがチケットを取ってくれたお陰で無事に観る事が出来ました。
予想を遙かに上回る、すばらしく衝撃的な舞台でした。今井さんだけじゃなく、本当に凄かったです。こんなに凄い舞台に出会えるのは一年に一度あるかどうか、だと思います。 今井バルジャン。いきなり、もの凄く驚きました。バルジャンの台詞が始まって…あれれ? 今井さんじゃない! どうしても今井さんだと思えないんです。いかにも今井さん、というバルジャンを期待していたのですが、違うんです。今井バルジャンではなく、ジャン・バルジャンそのもの。私がずっとイメージし続けてきたジャン・バルジャンが、そのままの姿でそこにいました。想像もしていなかった感じ方に驚きつつも、違和感も何もなく入り込めました。 良いところだらけで何を書き留めておくべきか迷ってしまいますが…司教様に救われた後の歌は凄まじい迫力でした。ここまでは荒々しさが存分に出ていて申し分なし。市長様となって出てきた時は「でかっ!」と思いました。ほんとでっかい。身なりは良いけれど、その中には荒々しいバルジャンの一面を感じます。 また驚いたのが、ファンテーヌの最期を看取った後のジャベールとの対決。ここは同じメロディを二人が違った歌詞で歌うシーン。私は男女が同じメロディを違う歌詞で歌うのが好きなのですが、男同士で歌うと上手く調和せず、ちょっと微妙だと思っていました。が、やっっっと分かりました。岡ジャベールと、今井バルジャンの迫力満点の対決は、すごく美しくもありました。どちらの歌もしっかり聞こえてくるし、どんどん声量が上がっていって、うぉ、うぉ、うぉ!! 岡ジャベールは今回も素晴らしすぎちゃって、もぉ、幸せ。 バルジャンがコゼットを引き取るシーンも良かったです。コゼットのため、いっしょに「ら〜ららら〜ら♪」と歌うところの不器用なこと。この不器用なところが、また魅力的なんです。テナルディエ夫妻に対しては最初から怒りが溢れまくってるし。本当にコゼットを守ろうとする使命感が伝わってきます。 二幕で悲鳴を聞き、コゼットを心配して駆けつけるバルジャン。あの巨体をどたどたと揺すりながら本当に焦って出てきます。この辺りのシーンでは「年より」という印象が凄く伝わってきていたので、よけいに心を打ちます。 砦ではマリウスを無事に帰してやってくれ!!と、その身も張り裂けんばかりに歌う姿は感動以外の何ものでもありません。 過剰に期待してしまうと物足りなく感じてしまうことも少なくありません。でも今井バルジャンは、想像も付かないくらい素晴らしい「ジャン・バルジャン」でした。岡ジャベールも完璧で、そこにもう一人、シルビアファンテーヌ。博多座でこの作品を観た時、一番印象に残ったのがシルビアさんでした。今回もやっぱり凄かった。記憶にあったあの時とは、違う声の様に聞こえましたが、その歌声を聞くだけで身体が震えます。工場から追い出された後の歌、感動の涙がぼろぼろと私の頬を伝います。(ハンカチ用意してませんでした) ベッドの上でコゼットの姿を見るファンテーヌ。どこにコゼットがいるのか、私にも分かる様でした。同行者の二人もシルビアファンテーヌを凄く気に入ってくれた様でした。 東山アンジョルラスはすごく格好良くて、カリスマ性に満ちていました。これならば、私も戦います! 列に加えて下さい!! という感じ。「学生たち」の一人ではない、統率者としての魅力を感じます。そして、とにかく熱かったんです。砦の向こうへ行こうとするマリウスを止めるシーンなんて、服が破れるんじゃないかというくらい力ずくで押さえ込んでいました。気持ちが痛いくらいひしひしと伝わってきます。アンジョルラスも不器用なやつですが、本当に見事な生き様でした。 藤岡マリウス、私にトラウマをもたらしたマリウスです。顔を見た瞬間に思い出しました(よっぽど印象が悪かったらしいです) で、やっぱりエポニーヌに対して冷たい。ただ、嫌悪感を抱くほどではありませんでした。むしろ砦の辺りからすごく存在感があり、アンジョルラスと二人で良い味を出していました。ストーリィが進めば進むほどすばらしすぎちゃって、一人生き残った後の歌。アンジョルラスの情熱が乗り移ったのかの如く、熱く熱く熱くるしく歌い上げてくれました。このマリウスだったら安心してコゼットを任せられます。 テナルディエ夫妻はクセがなく、すんなり消化できました。全然問題なし。知念エポニーヌは叫び声が一番良かったです。一人で歌っていると比較的良かったです。 アンサンブルは、全体的に前回の方が良かった様に思いました。でも、圧倒的な感動を感じたのは今回。二幕に入ってからは泣いてばっかり。砦が落ちる辺りからぼろぼろでした。ハンカチを握りしめ、肩を振るわせて泣いていました。アンジョルラス、グランテール、ガブローシュ、お前たちはどうしてそんなバカで不器用なんだよ!!(涙) 一週間前は平気で観られたシーンと同じだとはとても思えません。 最期はバルジャンに救いの光が当たり涙も心地良い感動に変わっていく、はずなのですが、感動が大きすぎてさらに涙が溢れる。シルビアさんの声が響くと涙が止まらなくて困っちゃいます。そのままフィナーレで、希望に満ちたみんなの歌声…にまた感動して、最期の最期まで涙が滝の様に流れ、ハンカチびしょ濡れ、首元から服まで達するし、鼻水は出てくるし、もう大変でした(^^; 今回、この作品を観るのは3回目です。初めて観た時の感動は、とても大きな物です。初めてを越える感動を覚える事は、滅多にありません。それを3回目で感じたたということは、本当に素晴らしい舞台だったに違いありません。客席からすすり泣く音もあちこちから聞こえていました。役者さんたちにとっても満足がいく舞台であり、客席の感動も伝わったんだと思います。リピータ率が低そうな客席だったのに、カーテンコールも凄まじい盛り上がりでした。 そして事件はおきたのです。(ここからは余談です) 何度も続いたカーテンコール。なんと、今井さんと岡さんが下がっていく時、客席に投げキッスをしたのです。今井さんが投げキッス?!(驚愕) うぉぉぉぉぉ!!(萌) あの今井さんが!!!(似合わなくて可愛い!!!) もちろん盛り上がる客席。ずっと前からほぼ(!)オールスタンディング。大拍手の中、出てきた役者さんたち。その中でタイミングを逃したのが…東山アンジョ。おかげで、可哀想なことに(おいしい?)、役者さんたちから背中を押され(!)、無理矢理(!)一人だけ前に出されてしまいました。何度も列に戻ろうとしたんだけどねw おろおろしている東山アンジョ。ここで今井さんが「アンジョルラスです!」と客席に紹介。客席大盛り上がり。東山さん、照れちゃって「ありがとうございました〜」と、ぺこっ。しかし大拍手は鳴りやまず。もう一度「ありがとうございました〜」。拍手は鳴りやまず。そしてようやく腹を据えた様です。いきなり躍動感あるダンスを披露。かっこぃ〜〜!!! 客席はさらに激しく大盛り上がり。 そして事件はおきたのです。(さらに余談です) 舞台中央でその様子を見ていた今井バルジャンと岡ジャベール。岡さんが今井さんを、がしっ、と捕まえて前に行く様促す。というか、力ずくで押してまんがな(笑) シャイな今井さん、いきなり自分に皆の期待が集まり激しくうろたえる(可愛い!!) 岡さんの力ずくに対し、がむしゃらに抵抗する。が、岡さん実は力が強い(^^; 客席も、ぶわ〜〜〜〜っ!、と期待。真剣に 私は無意識の中で、きっと思ったのでしょう。今井さん、勇気を出すんだ!! 前に出るんだ! 一歩踏み出す勇気を! その無意識が、私に… 「今井さ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!(><)」 と叫び声を(^^;;; 叫んでからメチャクチャびっくりしました。えっ、えっ、えっ、私ってこういうキャラでしたか?! 基本的に特定の役者さんだけで舞台を語ってしまうのがいやなので、個人の名を呼ぶのは抵抗があるし、でなくてもそんな恥ずかしいことできません。でき…ま…しちゃったよ(^^;;; これはカーテンコールの盛り上がりがあったから、ではないと思っています。本当に、この日の、この回の舞台は素晴らしかったんです。その中心にいたのが今井さんでした。だから何もしてくれなくても良かったんです。私はきっと、今井さんに「ありがとう」って云いたかったんだと思います。それがついつい、↑みたいになってしまったのではないかと。。。 で、ま、そんなこんなで、引くに引けない今井さん。(だって後ろには怪力の岡さんがいるんだもん(違)) とうとう覚悟を決めました。前へ出て、なんと…踊りました! くねくねした踊りでした(笑) しかも結構長時間いろいろな踊りを! 東山アンジョの3倍くらいは踊ってたと思います。な〜んだ、今井さん、貴方も結構好きねぇ(笑) ほんと、いろいろと意外でした。カーテンコールは別として、これほど素晴らしい舞台に出会えた幸せを忘れない様にしたいと思います。 (2009/03/22) |