キャッツ (2010/4/29)



演目
キャッツ (6回目)
劇団・劇場
劇団四季 , キャッツシアター , 4列71番
同行者
キャスト
グリザベラ 早水 小夜子
ジェリーロラム=グリドルボーン 朴 慶弥
ジェニエニドッツ 鈴木 由佳乃
ランペルティーザ 石栗 絵理
ディミータ 原田 真由子
ボンバルリーナ 西村 麗子
シラバブ 江部 麻由子
タントミール 八鳥 仁美
ジェミマ 王クン
ヴィクトリア 廣本 則子
カッサンドラ 蒼井 蘭
オールドデュトロノミー 種井 静夫
バストファージョンズ
アスパラガス=グロールタイガー
飯田 洋輔
マンカストラップ 武藤 寛
ラム・タム・タガー 荒川 努
ミストフェリーズ 松島 勇気
マンゴジェリー 龍澤 虎太郎
スキンブルシャンクス 岸 佳宏
コリコパット 金子 信弛
ランパスキャット 高城 将一
カーバケッティ 齊藤 太一
ギルバート 入江 航平
マキャヴィティ 桧山 憲
タンブルブルータス 松永 隆志
キャッチコピー
ついに世界をつかまえる。
グッズ等
特に何も買わず。
感想など
 母が観たいというので、私が連れて来られる日を選んだゴールデンウィーク初日。数日前にブロードウェイの上演回数を抜いたばかりだったため、良いキャストがそのまま残っていました。らっき〜♪ 今回でキャッツ観劇はやっと6回目ですが、なんと早水グリザベラの遭遇率82%!! 私って、実はすごくありませんか?

 2度目の回転席です。やっぱ良いですね、これ。考えた人すごい! ただ単にステージが回転するだけなんですが、その神秘的なことと云ったら。そして回転席のお約束、振動は横浜に来ても健在でした。猫たちがポーズを一斉にとるだけで、ぐにっと揺れます。すごい瞬発力とタイミングです。

 オーバチュアのタントミール、今回はばっちり見えました。きれ〜。八鳥タントミールは五反田千秋楽以来二度目ですが、とても線が綺麗でした。私って意外とタントミール好きなのかも、と思ったり。1匹でスポットが当たっているときだけでなく、他の猫と踊っている時も自然と目が行きました。
 同様に美しい廣本ヴィクトリアは初見ですが、ずいぶん色っぽい気がしました。どちらかというと、色っぽさはタントミール、線の美しさはヴィクトリア、と思っていたので、少し逆の印象。でも、これはこれでOKです。

 鈴木ジェニエニは初見だと思います。タップの辺りが少し大人し目な印象を受けました。バストファージョーンズの紹介で歌うシーンは、すごく良くて、歌声に惹かれました。ん〜、予想外。そういえば、WSSのロザリアで観ていましたっけ。なら納得。

 荒川タガー、声がやっぱり荒川さんですね(当たり前ですが) 独特の音で、少し浮き上がってしまうのですが、タガーはそもそも浮いた存在だから良いよ♪ 我が道をいくトコとか、すごく良い感じ。マンカスよりもタガーの方が絶対似合うと思います。女性をさらって来てからも、なんかクルクル踊らせて楽しんでいるし、極めつけは席に戻すため連れて行ってあげたにもかかわらず、自分がその席に座ってしまうとひねくれ具合。さすがです!!

 バストファージョンズは最近大きな役をこなす様になった飯田さん。やっと観ることができました(JCSのペテロで観たことはありますが意識外でした) なかなか声量がありますね。この役は村さんのイメージが強いのですが、村さんに比べるとソフトな声質です。バストファージョンズに対する印象を一言でまとめると「包容力」だと思います。ソフトな声質がそれと調和している気がします。二幕になりますがガス/グロールタイガーでは、ガスの時に老いさらばえた感じがしっかり表現されていました。個人的には、グロールタイガーに変わるまで、少しずつ強さというか、グロールタイガーらしい雰囲気を少しだけ垣間見せて欲しいので、そこは解釈が異なる様です。具体的には「段違い」と云う台詞の辺りを強く表現して欲しいです。しかし、グロールタイガーに変わってからは見事でした。彼の中で、ガス/グロールタイガーという役が、しっかりイメージされているのが伝わってきます。こういう風に演じたいんだ、と云うのが分かります。予想を遙かに上回っていて、美女と野獣のビーストでも観たくなりました。

 マンゴジェリーとランペルティーザ、息がぴったりでした。意外と側転でタイミングずれたりしやすいんですよね、この役は。龍澤マンゴは声がよく出ていました。石栗ランペルティーザは足が綺麗でした。

 江部シラバブ、何だか分からないのですが、何となく、シラバブっぽくない感じ。作りすぎているというか。確かにシラバブらしい音をしているのですが、可愛らしいのですが、歌として考えると何か違う気がします。シラバブのメモリーを聞いた観客は、そのあまりの美しさ、ピュアな部分に衝撃を受けないといけません。そこに飛び込んでくるグリザベラが、さらに観客の想像を超えていく。これが私のイメージです。江部シラバブは、もっと一人で歌いきってしまうくらいの気持ちがあっても良いように思いました。別に悪くはなかったんですけどね。趣味や解釈が少しずれていたって感じです。

 朴ジェリロ、マンマ・ミーア!のアンサンブルで観たことがある様ですが、さっぱり記憶にありません。ほぼ初見です。とりあえず、一言でまとめると、すっごい気に入っちゃいました! とにかく、この声は好きです。さらに優しい! 美しい! 一番の見所は、やはりガス/グロールタイガーのシーンでしょう。とにかく優しいジェリロでした。飯田ガスが、よぼよぼ感を出していたので、二人の雰囲気が調和して穏やかな気持ちになります。グリドルボーンになってからは、もう少し小悪魔っぽい感じが出るべきなのかもしれませんが、特に違和感はありませんでした。

 蒼井カッサンドラ、大変美しいです。それ以外に表現が見付からないです。横浜初日の時も感じましたが、カッサンドラは是非蒼井さんで観たいものです。松島ミストは流石です。ジャンプも高いし、小さな体で大きな表現。キレがあります。それに加え、歌が随分上手くなったのでは? ちょっと演出上のトラブルなどもあったのですが、上手いこと切り抜けていました。武藤マンカスはシンプルですね。リーダー色は強くありませんが、丁寧で、真面目なマンカスでした。マキャビティは久々に格好いい気がしました。岸スキンブルは愛してます。 (2010/4/29記)

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