石丸幹二コンサート (2010/6/6)
演目
石丸幹二コンサート (1回目)
劇団・劇場
劇団四季 , 愛知県芸術劇場・大ホール , 2階1列20番
同行者
なし
キャスト
キャッチコピー
グッズ等
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曲目
第一幕
名もなき星になる日まで〜別れの曲(ショパン) 7つの水仙(最高の贈り物) 普通の人間(ミュージカル「壁抜け男」より) セイリング(ミュージカル「ニュー・ブレイン」より) プッティング・イット・トゥギャザー (ミュージカル「サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ」より) ミュージカル・メドレー(チム・チム・チェリー,?,カフェズソング,CFYの曲) ソー・イン・ラブ(ミュージカル「キス・ミー・ケイト」より) そばにいて(映画「魔法にかけられて」より) ダンス・エスメラルダ(ミュージカル「ノートルダム=ドゥ・パリ」より) 第二幕 海へ来なさい 緑の風薫る地へ(ダニー・ボーイ/星の世界) キャラヴァーン ハナミズキ 夜のボート(ミュージカル「エリザベート」より) 私だけに(ミュージカル「エリザベート」より) 黒いワシ スマイル(映画「モダン・タイムス」より) 記憶の旋律(les memoires de chopin) 感想など
最初にお断りしておきますが、私は石丸幹二さんが大好きです。しかし、私が好きだった幹二さんに、今日は出会えませんでした。感想も少しネガティブな幹二になってしまうかもしれませんが、決して悪意はありませんのでご了承下さい。 まずは開演前の話になりますが、客層が過去最高に偏っていました。おば様方が強烈に多く、入場前の列にも少々近寄りがたい雰囲気。私以外にもそう感じた方が何人かいらした様で、少し離れた位置で人が減るのを待っていました。「私…あの中に入りたくない」「仲間と思われたくない…」といった声が聞こえてきましたので。それでも人気があるのは良いことですね。別に誰に迷惑をかけた訳でもなく、ただただ、近寄りがたい雰囲気を強烈に(?)かもしだしていただけですので。 開演。この声は、確かに幹二さんです。でも…。劇団四季を退団してから、初めて拝見する幹二さんは、劇団四季の石丸幹二ではなくなっていました。誰よりも忠実に四季の発声を自然にこなしていた石丸幹二はそこにはいませんでした。私は四季の幹二さんが大好きだったので、まず戸惑いました。 歌は確かにお上手で、聞いていて気持ちが良かったです。が、少し聞いている者を惹き付ける力が不足している印象。歌に吸い込まれてしまう様な、圧倒されてしまう様な、そんなところまでは殆ど行けませんでした。その要因の一つに、四季で慣れ親しんだ曲が少なかったため、私自身に問題があったのかもしれません。それは否定しませんが、対して、ゲストで出てきた一路さんは素晴らしかったです。 第一幕では「ソー・イン・ラブ」をデュエットで。この曲、実は初めて聞きましたが、とても良い曲ですね。一路さんの歌声は聞いている者を強烈に惹き付ける力を持っていますした。歌だけで人を魅了し、聞き惚れてしまいます。幹二さんの歌は、歌単独ではなく、台詞の中で、シーンの中でこそ栄えるのかもしれません。 聞き慣れた曲は「壁抜け男」から「普通の人間」です。ちょっとアレンジがされていましたが、ちょっと意外な選曲でした。歌い終わった後のトークで、この作品に対する思いが語られました。幹二さんはその容姿から、青年系の役ばかりで、初めて年相応の「おじさん」役を演じたのがこの作品だったそうです。それがすごく嬉しかったんだとか。そこでトークを終わってくれれば良いのに、この作品で四季を辞めましたって…。客席からは笑いが起きましたが、私はとても笑える心境ではありません。ファンの皆さんは、きっちりと四季を退団したことを受け入れ、消化し、今の石丸幹二を応援しているのですね。私は、全くだめ。この時点で、「(私に)リハビリ期間が必要かな…」と思いました。 ミュージカルメドレーは、題して「石丸幹二、絶対無理!」。皆さん理由が分かりますか? という疑問文からスタートしました。このメドレーの途中で、一路さんが登場します。幹二さんにスポットが当たっていたので、かなり暗い場所から誰か出てきた…と思ったら、もの凄く歩き方が格好いいというか、雰囲気があるんです。すぐに「一路さんだ!」と分かりました。(初見です) メドレー4曲が終わり、一路さんとのトークへ。何が「絶対無理」なのか。実はこの答え、東京ではうっかり(?)トーク忘れがあったらしく、名古屋で初の回答編となりました(笑) 答えは二つ。一曲目と四曲目は、踊りが苦手(下手?)、二曲目と三曲目は、年齢的に無理、でした。年齢の方は一路さんが見事正解していました。ちなみにお二人、同い年だそうです。踊りの方では、CFYに出たかったそうなのですが(曲が良いですからね)、立候補したら、おまえだと下半身は別の人にやらせる必要がある、ってことでだめだったそうです。タップばりばりですからね。 一路さんは、男役のイメージしか持っていなかったので、女性的なことに衝撃を受けました(というのも変な表現ですが)。特にトークの時、高い声で笑いまくる姿にはびっくりしました。が、こちらは数分でリハビリ完了。歌が始まれば、吸い込まれてしまうんです。客席からも、幹二さんソロの時よりも遙かに大きな拍手が。…どなたのコンサートでしたっけ? 第二幕は詩の朗読から始まりました。谷川俊太郎の誌で、海を題材にしたものでした。そこから曲へ。朗読は普通に良いですね。発声は以前と違いますけど…(まだまだ引きずっています) 曲の方は、もっとも以前と異なる歌い方。あぁ…音が…落ちてる…。 と、ずるずる昔の幹二さんに思いを馳せていたら、曲がどんどん進み、再び一路さんが登場。話題は夏に演ずるトート(エリザベート)に。一路さんは初演トート、東宝初演シシィ。特に初演の時は、死という存在を演ずることにすごく悩んだそうです。今ではエリザベートという作品の知名度が上がり、観客もトート=死ということをかなりの人が知っています。当時はそんな予備知識を持った人も少なく、果たして受け入れられるだろうか、どの様に伝えれば良いだろうか。しかしその苦しんだ結果、今も続く人気ミュージカルになったんですよね 幹二さんは今度トートで出演するため、コンサートではフランツの歌を。一路さんと二人で、夜のボートを歌いました。一路さん凄すぎです。幹二さんのフランツ、これは結構良い感じです。考えてみれば、幹二さん、フランツ向きじゃないの? 何はともあれ、一路さんの生歌で、この曲を聴けて幸せでした。さらにさらに、今度はソロで(!)、「私だけに」を。この曲、本当に大好きなので、めちゃくちゃ嬉しかったです。感想? 感無量。それ以外に表現がありません。魂がすべて一路さんの歌に吸い込まれてしまった感じ。この日一番の拍手となりました。実は一路さんファンも多かった気がします。 最後の曲はショパンのアレンジ。ショパンで始まり、ショパンで終わる。そういう演出だそうです。コンセプトとしては結構好きです。 アンコールは…ここで私が一番聞きたかった曲が登場しました。アスペクツ・オブ・ラブの名曲、Love Changes Everything。メロディが流れた時、思わず「やったっ!」と声を出してしまいました。周りの方、すみません。。。 歌詞は著作権の問題でしょうね、英語でしたが、素晴らしかったです。それまでに歌った曲と比べ、すごく歌い込んだ、練習量が桁違いな感じがしました。気のせいかもしれません。しかし、好きな曲を歌った、と、プロフェッショナルとして歌った、という差を感じました。欲を言えば、もう少しバックの音楽を控えめにして欲しかったです。でも、コンサートなので、仕方ないですね。どうしても聞きたかった曲を生で聴けたのですから、これも感無量。 アンコール、もう一曲の方は題名が分かりませんでしたが、良い曲でした。良い曲でしたが、Love Changes Everythingで終わって欲しかったです。完全に私の個人的な趣味の問題です。すみません。 エリザベートのトート、どの様な雰囲気になるのか、まだ想像できません。私が大好きだった四季の幹二さんのままならば、きっとトートは似合いません。今回のコンサートで、その幹二さんはすでに居ないことを知りました。とすると、良いトートになる様な気がします。ただ、私はちょっとまだ観るのが辛いですので、しばらくリハビリさせて下さい。 (2010/6/13記) |