西村京太郎
伊勢志摩殺意の旅 |
ストーリィ
東京の地下鉄で刺殺された男が最後に口にした言葉「セコ」。一体何を意味しているのか。その男が伊勢と関わりがあったのではないかと疑った十津川警部は、亀井刑事と伊勢志摩へ向かう。平穏そうに見えて、どこか違和感が付きまとう町。しぶとく捜査を進める十津川警部は、新興宗教団体の存在を知覚した。
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感想
相変わらずの十津川警部です。自分の領域と少しでも関わりがあれば、全国津々浦々どこまでも。これではさぞかし他県警の不満が爆発するのでは、と思う反面、これくらい行動力のある警察官がいたら(迷惑ではありますが)、すがりつきたくなる人も多いのではないでしょうか。本作は西村氏が時々使う設定、グループによる犯罪のパターンです。カルト的な団体を使って大がかりな犯罪を起こさせるのが、結構好きなようですね。
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鎌倉・流鏑馬神事の殺人 |
ストーリィ
伝統的な流鏑馬の神事。京都の旅館で一人の女性が殺された事件は、その神事へと繋がっていた。流鏑馬で何が起きたのか。流鏑馬で何が起きようとしているのか。十津川警部が真実に迫ります。
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感想
ストーリィは途中から非常に分かりやすい展開となります。タイトル通り。実にストレートです。それがとても良い方向に影響していて、十津川警部シリーズの持つ脇目もふらぬ直線的な操作振り、西村氏の表現するスピーディさとマッチします。何故起きたのか、何が起きたのか、読了後にしっかり印象に残る作品です。
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十津川警部「告発」 |
ストーリィ
新進の音響メーカに勤めていた十津川警部の友人が、九州は長崎で死体となって発見された。生前、何かから逃げている様子だったことから、勤務先に捜査の目を向ける十津川警部。そのメーカでは革新的な製品が作られようとしているという噂を耳にする。
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感想
非常に物騒なストーリィです。十津川警部シリーズは、色々なシチュエーション、色々な世界が存在します。パラレルに、複数の世界が進んでいる様な感じです。十津川警部が犯人を追いつめる、というよりも、大いなる敵に立ち向かう展開の作品。しかし、十津川警部のスタイルとしては、時々卑怯な手を使うこともありますが、ただただ犯人逮捕のために行動する。本作の様な飛躍した展開でも、比較的馴染みやすい原因はそこにあるのでしょう。
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十津川警部「荒城の月」殺人事件 |
ストーリィ
滝廉太郎が作曲した名作「荒城の月」の楽譜は一体幾らなのか。幻の楽譜が現れたことで、目の色を変える人々と、そのために起こる殺人事件。贋作師の存在が、ファンの心の隙間を狙う事件に、十津川警部の操作が入ります。
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感想
日本人なら誰でも知っている名曲、荒城の月。そこに贋作をミックスさせ、一つの作品としています。結末は西村氏らしい感じなので、ある程度予測がつくものですが、それは必ずしもマイナス的な要素とは考えられません。ゴールにたどり着くまでのプロセスは、十津川警部シリーズの持つ一直線な展開を十分に楽しませてくれます。
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高知・龍馬殺人街道 |
ストーリィ
現代のの坂本龍馬を名乗る男から届いた手紙。選択するの予告通り、次々と起こる殺人事件。十津川警部はインターネットにも目を向けながら操作を進めるが、後手後手に回ってしまう。
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感想
多くのファンを持つ坂本龍馬。私も好きです。犯人は龍馬の意志をねじ曲げて解釈し、身勝手な犯行を繰り返すのですが、龍馬ファンとしては非常に辛い心境になってしまいます。あまりにも解釈が都合良く、読んでいてちょっと息苦しい様な感じすら覚えます。犯人を好きになる必要はありませんが、なんだか龍馬が可哀想になったのは私だけでしょうか。
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