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水彩画の描き方

2019(一年次) 美術専攻

〔絵を描く時いつも心がけたいこと〕・・・≪自分の描いた絵をみてよく観察≫

@   光と影: 光の向きは一方向から (逆方向から跳ね返ってくる光もある)

A   構図: モチーフ(主題)、目の高さ、物の配置のバランス、奥行き感 (遠中近景のバランス)、

B   配色: 色の三原色(赤、青、黄)がバランス良く入っているのが望ましい(例外もある)。

主題は何か?自分は平面の紙を使って何を第三者に伝えようとしているのか?それがちゃんと伝わっているか?・・・日頃そのような気持ちを持って描く姿勢が大切ではないかと思います。

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〔水彩絵の具とパレットへの置き方〕

・水彩絵の具には透明水彩と不透明水彩(ガッシュ)があります。

・パレットへの絵の具の置き方に決まりは無い。自分の好きなように置けばよい。

一例としては虹の色の順〔赤橙黄緑青藍紫と白黒〕に配置させるとか・・・。

〔水彩筆〕

・小筆丸(0号〜3号丸)、中筆丸(6号丸)、中〜大きめの平筆は不可欠、あとは描く絵の性質によって適切な筆を加えていく。必ずしも高額な筆が良いとは限らない。自分に合った筆を描きながら探していく。

〔鉛筆〕

・デッサン用の鉛筆硬度は H〜2Bの範囲で自分の使いやすい硬度のものを選ぶ。

〔練消しゴム〕

・不要な線を消す時に使います。ゴシゴシ削るのでなく水彩紙に押しつけるように使います。

〔水彩紙〕

・ワトソン(190/m2)、モンバルキャンソン(300g/m2)等、厚手のもの程 描いていて歪が少ない。

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〔水彩画特有の技法一例〕

ウォッシュ:紙を洗うように、たっぷりの水と絵の具で、すばやくダイナミックに塗る。

にじみ(ウエット・イン・ウエット):ウォッシュした色の上に別の新しい色を置く すると滲んで模様が出来るそのような技法をいう。(ウエット・オン・ウエットともいう)

・ウエット・オン・ドライ:乾いた色の上に別の新しい色を乗せる。色を重ねることで、セロハンを重ねたような透明感が出てくる。水彩が油彩と特に異なる特徴といえる

ぼかし(グラデーション)にじみと似ているが 描き方が少し異なる。水彩紙に絵具を塗り、絵具が乾かないうちに 水を含ませた筆で色の境界をなぞることによってできる。

・リフトアウト塗った絵の具を湿らせて筆、ティッシュでぬぐい取ること。

・グリサイユ画法:最初にグレーやセピアで影や、陰影の濃淡を描いてしまい、後で色を置いていくという方法。透明水彩は重ね塗りした下の色が透けて見えるので、後からグレー系で陰影をつけるより自然な出来になる。

〔絵を描くときのベーシックな考え方〕

 ・形をとらえる;

どんな複雑なものでも単純で基本的な形の組み合わせで出来ている。立方体、球、角柱、円柱などにあてはめて形をみると正確にとらえることができる。

・線でとらえる;

ペンの細い線、筆やコンテの軟らかい線、それぞれの表現の特徴を生かして描く。

・明暗でとらえる;

明暗を正確にとらえるには その度合いを表さなければならない。

・質感をとらえる;

そのものが持っている材質による違い、その材質感をとらえる工夫をする。

・その他

筆で何度も紙面をなぞらない(3回まで)紙面が荒れる、色が濁る。

同じ色でも水加減で色合いが変わる。薄く溶いた色を乾いてから塗重ねて深い色をだしていく。

・推奨画具:・ステッドラー8B鉛筆(モチーフが地面に接する最も暗い部位に使う普通の鉛筆で出せない黒色)・Pastel Brush Nouvel/L,LL(背景をムラなく塗るのに便利)

・構図を決める

@   風景や静物などの場合、描きたい場所、対象を決めたら まず、両手の親指と人差し指で四角形を作り、片目で覗いて描きたい範囲にあてはめます。

テキスト, ホワイトボード が含まれている画像

非常に高い精度で生成された説明

A  次に描きたい物、興味があるものが図2の点ア〜エのどこかに当てはまることを一応の目安とします。

  テキスト が含まれている画像

非常に高い精度で生成された説明

B   たとえば、メインに家を描きたいのに この点にない時は ずらしてこの家の中心を点のところに持ってくるのです。

テキスト, ホワイトボード が含まれている画像

非常に高い精度で生成された説明

 

〔セット色以外で持っていると便利な色〕 (*)はホルベインの18色セットに含まれる

サップグリーン・・・サップグリーンとテールベルトがあれば大方の草木の緑が表現できる

テールベルト

シャドーグリーンorグリーングレーorオリーブグリーン・・・草木の影部分に有効

・コンポーズグリーンno1 or no2・・・草木の最も明るい部分やシクラメンの葉にある文様に有効

オペラ・・・ややピンクがかった赤で発色がよく目立つ

インディゴ・・・藍色で風景画などの影部分に有効

セピア・・薄い影を付けたり グリサイユ画法に有効な色

・ペインズグレーorニュートラルチント・・・薄い影を付けたり グリサイユ画法に有効な色

ウルトラマリンディープ・・・海や空、薄い影など この色は多用途に使える

ジョンブリヤンno2(*)・・・枯草や地面の表現に有効、また遠くの空にも使える

ミネラルバイオレット(*)・・・草花の紫、影、空の色にも使える