静物画(2019年一年次1学期)
セザンヌの絵箱
静物画の基本:物の配置と関係づけを学ぶ
静物画を描くことは 画面構成や空間構成を学ぶのに役に立ちます。
静物を描くときだけでなく 人物や風景など 絵画全般に通じる構成の勉強になる。
なかでも 物の配置の仕方は 物と空間の関係を考えなくてはならないので どのような絵を描くにも基本の一つといえます。
@ まず物をただ一か所に纏めてもつまらない構図になってしまうので グループ分けして変化と統一を作ります。つぎに主役のグループを3段階くらいに分けてみます。
A 主役になる物の位置を決定します。正面から見たときにはど真ん中から少し外した位置にくるように(下の図のポイントの位置)置くとバランスがとれます。
B 関連付けに工夫すること。これは例えば黒いびんをやや黒いテーブルに乗せて白い壁をバックに描くとき 黒いびんと白い壁の差がはっきりし過ぎて遊離してしまうので 透明なグラスを置いて二つを繋ぎとめるようなことを指します。
ガラス器、花を描くポイント
◆ガラス器を描く
<ガラス器のポイント>
(1) 丁寧なボカシで明暗をつける。
中央は明るく、両端は暗くなる。この変化をボカシで描く。
濃過ぎたり、荒いタッチは避けます。
(2) 輪郭線からはみ出さない。
一筆書きは はみ出しやすいので 慎重に に 丁寧に描く。
(3) 強いコントラストを探す。
底面や形の曲がり角に 強い光の明暗差が現れる。この光のコントラストを強調すると、ガラスの重さが描けると思います。
<ポイント>下の図を参照
1.中心線に対象か?
2.目の高さでコップの円形部の形が変わる。
3.コップの光、ハイライトを忠実に。
4.固さは形の境界線をキリッと出す。
5.コップの円形部の楕円は反対側が平たく見える。(透けて見えるから?)
6.透明感はよく観察すれば必ず表現できる。 7.ハイライトは紙の白さのまま残す。
8.コップの口や底の厚みを表現する。
9.ガラスの色味はコップで異なる。
10.鉛筆画からの着彩色はカーボンに注意する。 11.背景の状態で透明感は違ってくる。
12.水彩の筆のタッチは縦に生かす。
ガラスコップは右の図のように、目線から下に行くほど 正円に近づいていく。(これは木や円柱系の物を描くとき全てに通じる)
◆花を描く
<ポイント>
・背景の色や花瓶の色、形が花を生かすように工夫します。
・花が正面、横、斜めなどのいろいろな方向に向くように変化をつけます。
・グループ分けをします。
・花と背景が接する部分の変化に注意する。周囲の背景に溶け込んだ部分、離れた部分を明確に見分けるようにします。
・各々の花の全部を強く、また弱く描かかず 強弱をつけてメリハリを持たせる必要があります。
・光の向きを正確に把握し、物の陰の明暗、物と物との重なり部分、背景の境目を明確に読み取ることが大切
「こう描きたいと思ったら、こう描く」というのが自然な姿勢だと思います。 「自分の思うように 好きなように感じたまま描く」という気持ちで臨みたいと思います。