Title 「アキノセイ」 参加者:舞奈、すけっち、桜月夜、夕月勉斗 徐々に日が沈んでゆく様を眺めながら思ったこと。 日が暮れる時間も随分と早くなった。 風も心地良さを帯びてきた。 虫たちの鳴き声も次第に消えて行くのだろう。 僕は「う・・ん」と背を伸ばした。汗ばんだ身体が流れる風を 一斉に受けて気持ちいい。 川の土手は風の通り道となってかなり強い風が吹いていた。<夕月勉斗> 僕はに風乗ってそのまま空中散歩を楽しむことにした。 両腕をめいっぱいに広げ全身に風を受けると、 いっきに3メートル上空まで飛んで行く。 「ふぅ」 こうやって自然と一体化すると、 疲れきった僕の心が癒されていくような気がする。 空を飛んでいると、色々な鳥達とお友達になれる。 今日も一匹のカラスが時速30キロで僕に逢いにくる。 それをかわした僕は風の流れからはずれてしまい、 地面に落ちてしまった。<舞奈> でも、落葉がクッションとなって、僕はケガなんかしなかった。 赤や黄色の葉たちのクッションはベッドにも最適で僕はそのまま 眠りについてしまう。<夕月勉斗> 「う…うん」何か柔らかい匂い。 僕の目の端に秋色のインド綿のベットカバー。 台所には見慣れない小物たち。 起きがけの僕の頭の中は混乱している。 目覚まし時計は8時15分を指していた。<すけっち> とりあえず、目覚ましがわりに時計をかじってみる。<夕月勉斗> 時計はやっぱり時計だった。 甘くもなく、辛くもなく、まして ……硬かった…僕は時計を口に くわえたまま、起きた。 「8時18分ね。」と甘ったるい声が 聞こえた。さっきから3分しかたってないのか… はっ。誰…だっけ?まずい、まだ僕は寝てたっけ? はて?頭がぐるぐるマワッテキタ…。ココハ…。<すけっち> 「相当重傷ね」 さっきと同じ声が聞こえてくる。声は聞こえても、 視界にはなにも写ってこない。 「アンタ、頭がヨコに高速回転してたよ・・・6回ぐらい」 そりゃそうだ。頭がタテ回転したら怖い。<舞奈> 「まてよ…」 「僕ってまさか…」 と気付くと肩甲骨に大きな白い羽が生えていた。 さっきの声がいう。 「そうさ、頭も6回転半まわるのもあたりまえ〜さ」 僕は回りは落ち葉の洪水になっていた。 「地面に落ちた衝撃で…なにか夢をみたようなホー?」 「僕はホー?」「ホーホー?」 鳥になったような気がする…。<すけっち> と、いうか鳥だ。 しかも、ダチョウ・・・。 目覚めた僕は思った。 『色は白いのにダチョウだなんて・・・素敵だ!!』 そして、僕は深く考えずに走り出した・・・。<桜月夜> 「やれやれ、ですわね。」 「まぁ、この程度でおとなしくなってもらっても、つまらな〜 いからぁ。」 甘い声は複数の個所から囁かれたような気がした。しかも、 僕の視界は残像しか捉えることのできない状態だ。それほどの 速度で駆け抜けているのにも関わらず、声は脳裏に直接響いて くるような感覚をうける。 『この僕についてこれるなんて・・・まさか!!』 僕は真実を悟り、驚愕した。<夕月勉斗> 「ようやく気づいた、みたいなぁ〜」 立ち止まっても実体が見えない。・・・てことは、 「お前達はコギャル語をしゃべる残像人間か?!」 「クスクス、何それ〜?」 笑ってる。違うのか?じゃあいったい・・・ 「馬鹿なこと考えてないで行くよ!」 「どこへ?」 「死後の世界。アンタはもう死んでるの」 な、なに〜!じゃあ肩の羽根は?ダチョウになったんじゃ・・・ あっ、気のせいか。                おわりだよ<舞奈>