・最初の一匹
物心ついたときからのアウトドア派で、幼稚園、小学校のころには魚とり、ザリガニつかみなどひととおり
の科目をこなし、中学、高校のころは、投げ釣りから始まり、ヘラブナも釣ってました(^^)。その後、ブランク
があったのですが、10年ほど前に、再びこの世界に舞い戻って来ました。
ブランクの間は、就職したり、学生をしていたり、外国にいってみたりしました。また、バイクと野宿ツーリ ングも覚えました。(結婚もしたけどね) しかし、私のルアー釣りの原点は、1974年、中学校のころ釣具店に並んでいたOlympicのルアーセット(例の プラスチックのケースに入っている5個セットのやつ)をなけなしの小遣いをはたいて購入し、2.4mの投げ竿に 3号のラインで雷魚を釣ったことです。ヒットルアーは、確か「トビー」のコピーだったと思います。そのころ 雷魚はやたら豊富で、夏の暑い日、いつも通る川の水門下にポカーっと浮いている魚に向かってスプーンを投げ たのです。もちろんルアーフィッシングがどんなものか見当もつきませんでした。ただ、愛読書だった東西社の 川釣り入門の本に、「雷魚はルアーでも釣れる。」というページがあり、それのみをたよりにルアーを投げまし た。 当然、投げ用の堅いロッドと3号のラインでは、思ったように飛びませんし、ルアーはむなしく藻を引っかけ てくるだけでした。しかし、陽が西に傾き、あきらめかけたころ、突然、水面が爆発し、次の瞬間(ではなく、 長い時間たってからだったような)それまで体験したことのない重みがロッドに伝わってきました。それから は無我夢中でやりとりなんぞ関係なしに力任せにリールを巻いて魚を岸まで引っぱり上げました。60cmを越 える雷魚でした。 ペンチもなく、えさ釣り用の針はずししか持っていなかったと思います。たぶんすごく苦労したと思うので すが、どうやってフックを外したのか、また、その後どうしたのかも覚えていません。今でも記憶にあるのは、 夕闇迫る中、雷魚の鋭い歯の並ぶ顎にしっかり食い込んだフックと、河原で一人きりで手も膝もがくがく震え ていたことだけです。 その後、しばらくルアーにはまって、同じOlympicのスピナーなどで、ハス(ケタバス)を釣ったりしました。 しかし、ルアー専用のロッドやリールを使うことなど思いもよらなかったのか、ただ高価で買えなかったのか はわかりません。また、ラインを細くするという頭がなかったのでしょう。多分、ルアーが思った通り飛ばな いという理由だったと思いますが、ルアー釣りからは遠ざかっていました。 その後、釣りは、たまにハゼ釣りに行く程度になり、ほとんど釣りをしなくなり、ついには「釣りは無益な 殺生だ」などと放言するようになっていました。 合計7年ほど竿を握ることはなく普通の人として過ごしてきました。その私を再び釣り人にしたのに、これと いったイベントはありませんでした。釣りをする友達やルアーフィッシングブーム、近所の野池など、周りの 環境が少しずつ私の釣り人としてのなにごとかを思い出させたのかもしれません。
・一応こだわりもある
今現在、私は次の点について自分の中で緩やかなルールを作っています。それは、緩やかなルールであって、 それに囚われているわけではありません。ただ、選択の余地がある場合に私の行動原則となりうるものです。 それは、釣りはゲームであるという原則です。ですから、人に明らかに有利な条件で釣りはしたくないという ことです。同じ理由で、選べるときは船には乗りたくありません。バスボートも然り。ゲームのテーブルに乗せ る掛け金は、人の場合、多くの場合失望や満足ですが、魚の場合、多くは個体の生存そのものがかかってきます。 これは明らかに人に有利ですよね。ですから、「なるべく餌は使わない」「できればリリースする」など、人間 の側に有利になりすぎないようにしています。もちろん、必ず守るというわけではありません。このあたりは、 いろいろ意見もあるでしょうし、私の考えには根本的な矛盾もあるのではないかと思いますが、そのあたりはあ まり突っ込まないように(^^)。 また、ゲームであるからには、勝利までの道程は長く厳しいほど喜びは大きいものです。もっとも、生来の怠 け者の私にはしばしばこの原則は破られるのですが、フライを巻いたり、ルアーを作ったりするのも、この原則 の一部であると自分では思っています。それでたくさん釣れればさらに喜びが大きいですよね。 さらに、これはあまり関係ないのですが、余分なこだわりとして、「人と同じことはしたくない。」という願 望が話をややこしくしています。例えば、琵琶湖で他の人が常吉リグでバンバン釣っているのに、ひたすらスプー ンを投げるとか(^^)、メップスのスピナーにこだわって、シーズン中、どんな魚にもそれだけ投げていたとかで す。ほとんど馬鹿者ですが、本人は結構楽しかったりするのです。
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