劉備の怒り

劉備にとって関羽は身内以上の存在であった。
その関羽が呉によって非業の死を遂げた。
劉備はいつか関羽の仇をうとうと心に誓っていた。

劉備

ああ。かわいそうな雲長よ。
すぐにおまえの仇を討ってやるぞ。


趙雲

いけません!
倒すべき敵は魏であって呉ではありません。
魏が倒れれば呉は自然と帰順を申し入れて参るでしょう。
ここで呉と争えば、一番喜ぶのは魏であります。
どうかお考え直しください。


劉備 ・・・・・・・・。
(子竜よ私のわがままを許してくれ。)

劉備は何も答えず。
ただ、趙雲を遠征のメンバーから外した。

ついに出陣を決意したがその準備中、
張飛の助官が、劉備を訪れた。

劉備 益徳も死んだか・・・。

助官が来た時点で劉備は張飛の死を悟った。
普段は劉備に何か知らせがあるときは
張飛自ら劉備のもとを訪れていたからであった。

果たして、劉備の懸念どおり張飛殺害されるとの報告であった。
死の前日にせっかんを受けた樊彊、張達が居なくなっていることから
この二人が犯人とのことらしい。呉に逃亡したという。

劉備 おお・・・。
あれほど部下に厳しくしてはならぬといっていたのに・・・。

劉備は5万の兵を率いて呉に攻め入った.
呉主孫権は諸葛瑾を使者に立て蜀との和平を成立させようとした

諸葛瑾

どうか怒りをお静めになって、私の言葉をお聞きください。
劉備殿にとって帝位を簒奪した魏こそが、倒すべき相手なのです。
どうか大局的な見地に立ってご考慮ください。
私は劉備殿のためを考えて申しておるのです。


しかし、劉備は聞く耳持たず、有無を言わさずはねのけた。

孫権

う〜む。どうやらかなり劉備を怒らせてしまったようだのう。
こうなったら最後の手段だ。


孫権は一転して魏に使者を出し降伏を申し入れた。

曹丕

おお。そうか孫権が降伏するとな。
うむ。受け入れよう。

 

劉曄

陛下。呉の降伏を受け入れてはなりませぬ。
呉はいま蜀の侵攻を受け、
魏を含めた両面攻撃を最も恐れているのです。
ここで呉を滅ぼしてしまえば、
蜀も孤立し、やすやすと打ち破ることが出来ましょう。

曹丕

そう言われるのももっともだが、
降伏する者を拒め、攻撃すれば、
今後わが国に降伏を申し入れる者が、
居なくなってしまうではないか。
孫権には朕が指定する貢物と人質を要求する。

というと呉に対し瑠璃や真珠など高価な貢物を要求し、
人質には孫権の長子孫登を要求した。

張昭

貢物というのは古来から
どういう物か決まっております。
このような高価なものは、
いまだかつて前例がありません断るべきです。

 

孫権

構わぬ構わぬ。
曹丕は父の喪中にもかかわらず
このような非常識な貢物を要求して来た。
曹丕は世の笑い者となろう。
また、このような品で魏の侵攻が免れるとあらば、
安いものだ。
人質の件は登がまだ若年ということで、
なんとか言い逃れをして間を伸ばそう、
劉備の脅威が無くなるまでの辛抱じゃ。

 

張昭

なるほど。そこまでお考えでしたか。
それならば言うことは有りません。


孫権はこうして魏、蜀の両面攻撃を回避した.

次へ