黄月英
孔明の妻、黄月英。
真三国無双の個性ある登場人物たちと比べ、いささか影が薄い。
そこで考えたのですが、実は月氏族の血を引く者という設定はどうでしょうか?
月氏族とは、西域から中国に移住してきた民族で、
浮屠(仏教)の教えを広めたといいます。
陳舜臣の名著「秘本三国志」では、
曹操、孫堅、劉備が競って手に入れようとした景妹、
頭脳明晰なリーダーである支英など、準主役的な扱いを受けています。
その信者は中華全国に散らばり、独自のネットワークを築いていた。
孔明は月英を通して月氏族の情報網をつかみ、
さらに西域の発明を取り入れたということで。
一般に黄月英は容姿が醜いと伝えられていますが、
例えば、極端だけど比丘尼だったとしたら、
いくら顔が整っていても、
髪が命と同じくらいの重みである中国では、
髪が無かったとしたら、「醜い」とされるのではないでしょうか?
たとえ髪があったとしても、異教徒ということだけでも、
きっと妻に迎えた孔明を「変わり者」扱いされるでしょう。
2005.02.26