祀山の戦い

蜀の丞相の諸葛亮は夷陵の敗戦で疲弊した国力を回復し
魏へ侵攻する準備を立てていた。そこでまず、
魏に寝返っていたもと蜀将である上庸城太守孟達
を誘い蜀に付かせた。
司馬懿は魏の危機を悟り、急いで軍を発し、夜通しで強行させたため
孟達が準備する間に到着した。


孟達 なに!魏軍が我が城を包囲しているだと!
..............信じられん。


司馬懿は城を陥落させ孟達を斬った。


諸葛亮は劉備の遺志を叶えるため 魏討伐の兵を挙げようとしていた。
出陣するに及び、主劉禅に君主としての有るべき姿を諭した
「出師の表」を奉った。


諸葛亮 ついにこの時が来たか。準備はすべて整った。さあ出陣だ。


まず諸葛亮は趙雲に少数の兵を持たせ箕谷方面に向かわせた。

曹真 なに!蜀が攻めてきた?蜀の先鋒は趙雲だと!!
遂に来たな。相手にとって不足はない。
全軍出撃じゃ!趙雲を討ち取って名を上げよ!


魏の大将軍曹真は大軍を箕谷に向かわせた。

橙芝 趙雲殿。見よ、なんと魏の兵の数の多いことだ。
私らは、無事でいられるのだろうか。


趙雲 安心せよ橙芝どの。
戦は兵の数だけで決まるものではない。
私に任せ給え。


曹真 おかしい。
夷陵の大敗の後にしても、あまりにも蜀の兵が少なすぎる。
まさか!!!!!


張郤 何をしているのだ曹真。それはおとりの部隊だ。


諸葛亮は自ら大軍を率いて祀山に出撃すると、
涼州一帯は震撼し、蜀に降伏した。
魏は慌てふためき皇帝曹叡は長安まで進出した。
張郤は諸葛亮の迎撃に向かった。

曹叡 陽動作戦か。
諸葛亮は頭の良い人物と聞く。
だが、どんな策を弄そうとこの長安は抜かせぬ。


諸葛亮は先鋒の将に周りの反対を押して、若い馬謖を指名した。

馬謖 山頂に陣を張れ。

王平 山のふもとにじんをはれといのが
じょうしょうのめいれいだったはずでは。

馬謖 高所から低所を攻めると勢いが倍すると兵法に言う。
敵が来たらあの山頂から一気に駆け下りるのだ、
そうすれば我が軍は大勝利をもたらす事が出来るだろう。

王平 ・・・ですが、ぐんりつに反してはなりません。

馬謖 将は臨機応変に対応しなければならぬ。
字も書けないおまえが生意気な口を利くな!!

周りの部将はこの布陣に反対した。
なぜなら諸葛亮はふもとに陣を張るよう命令したからである。
だが、馬謖は意見を曲げなかった。
本陣でこれを知った諸葛亮は、

諸葛亮 なに!!馬謖が山頂に陣を取ったと!!
愚か者が!


魏の張郤は地形を見、敵の布陣を確かめると、
ためらいも無く馬謖が陣を敷く山を包囲した。

馬謖 ???おかしい。なぜ敵は我が軍を警戒しないのか?

次第に兵糧、水に窮した馬謖軍は疲弊していった。

馬謖 ま。まずい。こんなはずでは。

馬謖軍は突破口を見つけるために無理やり張郤軍に突撃した。
が被害が出るばかり、馬謖が包囲から脱出する頃には
ほとんどの兵が魏に打ち破られるか降伏した。

張郤 ここの大将はバカか?

その中でも王平だけは隊伍を整え脱出したため被害が少なかった。


この敗北のため諸葛亮は退却を余儀なくされた。
耶谷方面の趙雲は魏の大軍からまともに攻撃を受けたが、
よく兵をまとめ、被害を最小限に押さえた。
馬謖は軍法に照らされ、諸葛亮は泣いて馬謖を斬った。
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