蜀平定戦

諸葛亮もすでに亡く、姜維は何度も兵を率いて北伐を繰り返したが、
魏の名将ケ乂に阻まれ、思うように軍を進めることができなかった。
度重なる敗戦で蜀の国は疲弊していた。
司馬懿、司馬師の後を継いで、ほぼ実権を手中にしていた司馬昭は
蜀平定の軍を動かした。

司馬昭 蜀の主劉禅は暗愚で敗戦で疲弊した蜀はもはや虫の息だ。
我が軍の勢いを止める力など有りはしない。
いまこそ蜀を平定し、司馬氏の天下を世に知らしめるのだ。

ケ乂、鐘会はそれぞれ別の軍を率いて蜀に進行した。
姜維が鐘会と対峙している隙をついて
ケ乂は険しい道を突き抜けた。

ケ乂 こ、こ、この断崖をこ、越えれば、よ、容易に
成都にせっ、接近することができる。
我が勇敢な、へ、兵達よ偉大なこ、功績が迫っている。
我につ、続け。

ケ乂軍は諸葛亮の息子諸葛センを打ち破り成都に現れた。
これを見た劉禅は恐れを抱き 抵抗もせずに降伏してしまった。

劉禅 うああ!魏の軍が来ているよお。
こわいよぉ。
早く降伏するってつたえなきゃあ。

一方、鐘会、姜維の両軍は対峙してゆずらぬ状況が続いていたが、
劉禅の降伏を知ると鐘会に降伏した。
姜維軍の将士は、刀を石に叩き付けて悔しがった。

姜維 ああこんな形で最期を迎えるとは・・・・。
情けない。
これではお亡くなりになった諸葛丞相に顔向けできない。

鐘会はかねてから姜維の才能を高く買っており、
みずからの野望を達成させるため姜維を誘い、反乱を企てた。

鐘会 貴公の才能を眠らすのはもったいない。
貴公の名声は全国に鳴り渡っている。
どうだ私と組んで新しい国を作らないか。

姜維はそれに同意した。鐘会はまずケ乂に反逆の罪を着せて監禁した。

衛潅 鐘会め、本性をあらわしたな。
奴の無謀さに付き合ってはいられぬ。
殺られる前に殺る!

魏軍の衛潅は隙を見て鐘会を襲撃。
鐘会は独立の意図が実現できぬまま
姜維もろとも八つ裂きにされた。
さらに投獄されていたケ乂をも殺害された。
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