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エッセイ


慌しく過ぎていく日々の中でふっと思いついたり、カッカと腹を立てたり

そんなときにはいつもメーリングリストに流しちゃいます。

心に積もったいろんなことを一通のメールに託して流すと

それだけで少し気分が楽になる気がするから不思議です。

自分の流したメールにお返事が来る。

みんな同じことで悩んでいる。ちょっと安心する。自分だけじゃなかったんだ。

私のメールボックスには今日もみんなのつぶやきが流れ込んでくる。

そんな管理人の、そしてみんなの独り言をちょっとここに書いてみようかな・・・


期間限定居酒屋さん

ご主人が一時帰国が決まった奥さん。またご主人。
よかったですね。

こんなメールが届きました。
「主人の好物を作って、しばし居酒屋の開店です。」
なんて素適なご夫婦でしょうね。
そこに並ぶのは、郷土料理?季節のおなべ?奥さんお手製のおでん?

 どんなご馳走よりもきっとそんな家庭の味が一番のご主人への愛情たっぷりのおもてなしになる事でしょう。 

家族みんなで同じテーブルについて、同じなべを囲む、それだけで何もかもが美味しく感じられますよね。

ご主人の一時帰国の連絡を受けたら、どんな事をして楽しもうか、何を食べさせてあげようかって、色々考えますよね
また考えている間も楽しいものです。。
でも意外にご主人はそんな素朴なひと時を望んでいらっしゃるかも?
一時帰国を待っているこのひと時もなんだかワクワクして待てますね。

会社の上司さんにお願いしたいな。
一時帰国の間、お仕事に出かけるのは仕方ないとしても、夜のお誘いは極力避けて欲しいな。
接待してくれるお気持ちだけで充分なのです。
どんな豪華な料亭にも負けない、あったかい居酒屋がその人を待っているから。


PCの向こう側

メーリングリストを管理し始めて間もなく二年になろうとしている。
最初はなかなかメンバーが集まらなかった。
日本中に散らばっているであろう海外単身赴任妻の数は、とても想像がつかないが、
国内単身赴任妻に比べればまだまだ少ないと言わざるを得ないだろう。

そんな状況の中でのスタートだったので、最初は全く手探りから始めていった。
まずは「海外単身赴任」のキーワードで検索をかける。
たくさん出てくるのだが、なかなか私が求めているHPには出会えなかった。

根気よく探しているうちに、一つ、二つと我が家と同じような境遇で頑張っていらっしゃる奥さんのHPが見つかり始めた。
まず、その奥さんたちからお仲間になってもらった。
スカウトした格好だ。

こうして、2001年の暮れに小さなMLが産声を上げた。
当初はなかなか延びなかったメンバー登録だが、ここへ来て急速な伸びを見せ始めるようになった。
理由は私にも分からない。
たいていの方は、検索で探してきてくださるようだ。

所定の手続きを踏んでメンバーになられると、自己紹介のあとは自由な話題で盛り上がっている。
時には誰かのご主人の一時帰国のお惚気を聞いたり、またある時は愚痴を聞いたり、語ったり。
子供の教育問題もよく出る話題の一つだ。

ただ、メンバーの年齢層、家族構成はまちまちで、お子さんがいない夫婦があったり
お子さんがもう大きい方もいらっしゃる。
自分に興味のない話題が流れるときもきっとあるのだろう。

でもそんなときは無理に話題に加わる必要もないし、
自分の方からまた新しい話題を提供してもいいのだ。

だけど、登録したもののつまらなくなるときがあるのかもしれない。
思ったようなMLじゃないと落胆される場合もあるのだろう。
またご主人の赴任先に合流する事になって、単身赴任妻じゃなくなる場合もあるだろう。

だから脱退されるのはその人の自由である。


私は脱退される事自体をとやかく言うつもりは毛頭ない。
肌に合わないものを我慢して続ける必要はどこにもないのだから。

でも、一言「脱退します」とだけ言って欲しい。
理由など要らないから。

MLの機能の一つに、脱退するというボタンがある。
これを押すだけでMLの脱退はあっけないほど簡単にできる。
その方が楽だとは思う。

でも、そのボタンを押す前にちょっとだけ思い出して欲しい。
PCの向こう側、そのボタンの向こう側を・・・
PCのモニターの中だけで見ていると、あたかも機械が何もかもをやっているように見えるが
MLの管理も、HPの更新も、たとえ趣味とは言え一生懸命作業を行っている管理人がいる。

ボタンのクリックだけで脱退できるのは確かに便利だけど、
やっぱり最後はきちんと「人と人」として話した上で脱退して欲しいな。
入会するときも「人と人」としてメール交換してから入会しているのだから。

こう思うのは、私のおごり?わがまま?なのだろうか・・・




新聞の取材

恥ずかしながらこのHPを開いてから、一度新聞から取材の依頼を受けた事がある。
テーマはずばり「単身赴任」

最近では取材活動の最初にネット検索を利用するケースが多いのだろう。
 こういったHPを管理している私には時々、テレビ製作会社や新聞社から取材以来や情報提供を求められる事がある。

例えば・・・
「海外単身赴任をしている家族の所へ、急に訪ねていって驚かせてあげる」という企画。
旅費もテレビ製作会社もちだから結構よさそうな企画ではあったが、残念ながらメンバー内から
テレビ出演をしてもいいという返事はいただけず実現しなかった。

また
「離れて暮らす夫の素行調査をしてその模様を放映する」というもの。
製作者の意図がミエミエである。嫌な感じ。

そのつどメンバーに募集を募ったり、意見を聞いたりしたこともある。

そして、2002年、秋に私ともう一人の有志で上記の新聞社の取材を受ける事になった。
取材を受けた主な理由は三つ。
その新聞社は名が通っているし、その連載企画は硬派なものだったし、信頼がおけると考えた事。
もう一つの理由は、子供の話も聞きたいと記者の人からの依頼もあったこと。
つまり、普段では知り合う事もないような「新聞記者」という職業の人と子供が直接会って話せる事が
子供にとってもいい体験になると考えたからでもあった。
そして、新聞記事になる事で、なかなか世間からは理解されがたい私たちの境遇を
少しでも多くの人に知ってもらえるのではないかと考えたから。
これが多分一番大きな理由だったと思う。

そうして実現した取材の日。
子供を連れて喫茶店で会った記者さんは、紳士的な人で
うちの子供たちぐらいの年齢のお子さんがおられるとのことだった。

二時間ほどかけて熱心にメモを取りながら、私の話と子供たちの話に耳を傾けて、
その人は帰っていった。
私は精一杯伝えたつもりだった。私たちの気持ちを。置かれた状況を。

そうして一ヶ月も経ったころだろうか。
念願の記事の載った新聞が宅配便で我が家に届いた。
いろいろなテーマを連載形式で取り上げていたその記事の、そのときのテーマが「単身赴任」
これは国内・国外の両方についてである。
五つあるうちの一つが「海外単身赴任」だった。
私ともう一人のメンバーが話した内容が凝縮されて載っていた。

・・・そう・・・「凝縮されて」・・・

確かに私が語ったことではある。嘘はない。
でも・・・違うのだ。

・・・「以前体験した海外生活の窮屈さから逃れたくて、今回は一緒に赴任しなかった」
「メールボックスには今日も『ご主人の素行調査します』とのメールが届く」・・・


赴任しなかった理由はそれだけではないし、変なメールだって、一度こんなのが来たと
話の流れの中で言っただけだ。
なのに、こんな風な取り上げられ方をした。

私が力を込めて話したのは、大変な状況の中でも頑張っている家族がたくさんあることや
みんな前向きにこの生活を受け止めているという事だったはずだ。
あの人はいったい何を聞いていったのだろうか?
結局は記事の方向性は最初から決まっていたのか?
それに見合う話を引き出すために、いろいろな方向に話を振ったのか?
彼だって会社員だ。仕事として請け負ってきたのだ。
それは分かっている。責めるわけにはいかないのだろう。
だけど、あの誠実そうな笑顔を信じて一生懸命答えたのに・・・

あとで他の連載も読み直せば、暗い話が多かった。
そうか。前向きなのは最初から期待されていなかったのか。
ひどいなと思った。

自分たちへのインタビューが新聞に載ると言って喜んでいた息子たちにはとても見せられたものではなかった。

新聞社からしてこうなんだな・・・
こんな状況では、世間の見る目はまだまだ変わりそうもない。
でも、私は微力でもこうして訴え続けるのだ。
けなげに頑張っている家族がたくさんいることを。



傷ついちゃうよね

周りから見たらお気楽に見えるんでしょうね。
でも「うらやましい」なんて言わないでよ。

それが信じている人の一言だったりすると本当にぐさっと来るものなんだから。
顔は笑ってるけど、心は泣いてるんだよ。

気付いて欲しいな。友達なら。
気付くのが無理ならせめてそっとしておいて欲しいな。

一番辛いのは身内に言われる事。
  お姑さん・・・悪気じゃないのは分かっていても、やっぱり責められているようで悲しい・・・    

田舎のご近所さん。
興味津々にプライバシーを覗き込まないで。

「一緒に行かない」のはわがままなんかじゃない。
「一緒に
行けない」のだ。

そんな事情を一人一人に話して回るわけにはいかない。
だから笑ってごまかすしかない。

みんなからの回答

同じ体験をした人がたくさんいました。
だから共感する回答ばかり。
結論は「同じ境遇になってみないとわからないよ」
「無神経な人に振り回されて傷つくのはやめようね」

そう。

無視しちゃいましょう。


そうして、私は最近思うのです。
自分の思い込みや、価値観で人を傷つけるというのは誰にだってあるのだろうということ。
傷つけられたことがある私たちは、自分が誰かを傷つけないように、この気持ちを戒めとしなければならないことを学んだ。