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救助訓練

中央アルプス
千畳敷
1994/3/27

Hiro ほか(計12名)

それまでの「スカッフ&コール」中心の訓練から、「ビーコン」を用いた訓練へと移行する過渡期にあった、記念すべき訓練といえます。Hiroのメモよりなるべく忠実に、起こしてみました。

3月27日 快晴 名古屋(5:30)−菅の台(7:50〜8:15)−千畳敷(9:15)−【周辺で訓練】−千畳敷(14:50)−菅の台−名古屋

千畳敷に着くと、とても良い天気、訓練に当てるのがもったいないぐらいだ。早速ピットを掘り、雪質の観察を行う。表面の雪は、割合乾いており、30〜40cm 下にアイスバーンがある。(アイスバーンの上の積雪の内部も2層になっている)ピットの上部に1人乗り、ジャンプすると典型的に崩れ落ちた。ハンドテストも行う。Hiroの参加した一昨年と比べ、ハンドテストの意味が分かりやすい雪質だったのではないか。

ピットを利用して、ゾンデの感触を確かめる。その後、11:20頃から埋没体験を行った。人数が少ないので、受講生にはほぼ全員体験してもらう。

今回、埋没体験では、Tさんの協力を得て、埋没(頭部が埋まる)から、掘り出し(頭部が出る)間での時間を計った。短い人で5分10秒、長い人で9分ほどであった。

Hiroは、埋められるのが苦手なこともあり、すぐに掘り出しにかかろうとしたが、コーチの H さんは、埋没体験者の上にかぶせた雪をしっかり踏みつけることにより、雪崩によって雪が堅くしまった状態を体験させたかったようで、不満なようであった。一通り、埋没体験が終わった後に、H さんからそのあたりの【ねらい】について話があった。

Hiro としては、埋没の恐怖感は人によって異なるので、いくら埋めっぱなしにされるハズがないとはいえ、10分ぐらい大丈夫と言い切ることには疑問が残った。今回の埋没体験に限っていえば、埋めた深さが、割合と浅く、雪質も軽かったためか、上で踏むのが、より直接体に感じたような気がした。初めての人は、性格にもよるが、早めに掘り出した方がよいと思う。
また、埋没体験そのものに、どれだけの意義があるのか、疑問を大きくした。雪崩に埋まったら、自力では出られないという事実の体験、埋没者へのコールと反応を知ることは重要だが、どのみち自力脱出できないならば、限られた講習時間の中で、多くの時間が必要な埋没体験より、ほかのカリキュラムに時間をとる方がより良いのではないだろうか。

昼食後、ビーコン(AB1500)を用いた捜索訓練を行った。Hiro は、実際にビーコンを使うのは初めてであった。2人1組になり、1台の埋没側ビーコンを探した。記録によれば、最短で3分、最長で10分48秒かかった。ちなみに、最長だったのは K さんと Hiro のコンビである。当時のメモには「非常に難しかった。なめらかにゆっくり角度を変えること、10m、2mレンジでは、ビーコンを雪面に近づける必要があるようだ」とある。

最後に、スノーバーを埋め、流動分散で支点を作り、ザイルによる引き上げを行い、訓練を終了した。


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1st Updated : 2001/3/22