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大渇水でした

北アルプス 黒部川
上の廊下
1994/8/16夜〜20

Mさん、Mさん、Hiro

上の廊下へ行こうとMさんと話し合って、何年もたった。その間、大雨で計画がつぶれたり、家庭環境の変化、体調の問題など色々あったが、この年は天候に恵まれ、さらに強力なメンバーMhさんを迎えて、一段とパワーアップして望んだ。

8月16日 名古屋(22:30)−

夜行バスで出発。

8月17日 晴 −扇沢(5:40〜7:30)−黒部ダム−平の小屋(10:56)−平の渡し(12:00〜12:20)−奥黒部ヒュッテ(14:00)−黒部川熊の沢出合付近C1(15:00)

黒四ダムで観光客に別れを告げて、黒部湖左岸の登山道を延々と歩いてゆく。樹林の中を淡々と進む道だ。時折、右岸遠くに稜線が見える。沢を横切る度に喉を潤すが、単調なので飽きが来る。
ようやく平の小屋に着く。まずは入山と好天を祝ってビール。1時間ほど待って、平の渡しに乗って右岸へ移る。黒部湖もかなり減水している。またしても水平道を歩くが、崩壊地を巻くはしごの上り下りに、体力を消耗する。
奥黒部ヒュッテの先で、ようやく沢に入る。ぬるい・浅い・ゆるい と三拍子そろった流れで、この調子ならいけそうだ。アンチョコの右岸二条30m のところでツェルトを張る。2人用ツェルト2張を、シュリンゲを総動員して張る。

夕食の支度をMさん夫妻に任せて、Hiroは釣竿を片手に良質のタンパク源を調達に・・・・・・そうです“黒部の大イワナを釣る”これが今回の大きなテーマだ!!(Hiroにとっては)
竿を出し、仕掛けをつけると、まずは餌探し。餌は現地調達なので、手始めにアリを捕まえて使ってみる。しかし、流せども流せどもアタリは無い。M夫妻からは「夕食も天気図もやっておくから、いっぱい釣ってきてね」と、ありがたいお言葉をいただいているのだ。頑張らねば。餌が良くないのだろうか?
ここまで、中州の右岸側を上流へ向いながら釣ってきたが、左岸側を釣り下ることにする。そうして、テン場より下流の淵状のところへ出た。そこは、黒部川本流の水を穏やかにたたえ、“ここにいなければどこにいる”といった場所だ。慎重に近付くと、やっと見つけた川虫を釣り針につけ、静かに仕掛けを流した。

イワナを釣りました

仕掛けを流すこと数回、目印が止まった。根掛かりかと思い、竿を静かに動かすと、来た! 竿がグングンしなり、魚の姿はなかなか見えない。今まで体験したことのない強い引きだ。「どうしよう、どうしよう、タモも無いし」と思いながらイワナの引きに耐えていると、キラッと金色の魚体が見えた。そのとき・・・・・・ばらしてしまいました

結局そのポイントで25cmクラスを3匹釣り上げ、何とかノルマ達成。ひそかに「1人3匹」と思っていたが、実力不足だった。テン場に戻ると、M夫妻はすっかり待ちくたびれた様子で、それでも「本当に釣れたの」「良かったねぇ〜」と、暖かいお言葉をいただいた。

8月18日 C1(6:15)−下の黒ビンガ(6:45)−口元のタル沢出合(7:15)−スゴ沢出合(9:40〜10:08)−金作谷出合上流C2(12:11)

雪渓の残る沢が左岸から合流し、口元のタル沢が右岸から合流する。
ようやくライフジャケットの出番だ。身支度を整え、一番手のHiroが泳ぎ始める。

口元の樽沢上流

この先のゴルジュは、過去の情報では最も難所と考えられるところで、パーティーによっては3時間かかった記録や、大高巻きをしたものもあった。しかし、今年は猛暑渇水であり、ここまでの本流の渡渉や、下の黒ビンガの通貨も楽勝だったので、軽い気持ちで水とたわむれるように泳ぎ進んだ。思った通り水流はゆるく、15〜20mほどで泳ぎは終わり、あとはM夫妻をたぐり寄せる。

楽勝気分もつかの間、渡渉をしないと安全地帯へは抜けられないようだ。流れが狭くなっており、大岩の間を白波を立てて流れている。ザイルを出し、急流の渡渉を繰り返して、安全地帯へ出る。やはりありがたいものは日の光である。寒くて3人ともブルブル震えていたので、大休止。時に 8:22。1時間以上もかかってしまった。

上の黒ビンガ付近

上の黒ビンガの渡渉もせいぜい膝ぐらい。本当に渇水である。
金作谷出合上流の、左岸段丘上をC2とする。

イワナは釣れなかった。

8月19日 C2(6:08)−赤牛沢出合(7:15)−立石奇岩(8:08)−A沢出合(10:00)−薬師沢小屋(12:00〜13:55)−薬師峠C3(17:00)

立石奇岩は、赤茶けた岩の塔で、イースター島のモアイにそっくりだった。しかも、頭にチビモアイを載せた親子モアイだ。奇岩とはよくぞ言ったものだ。

ここで、7人パーティーがやって来る。
(7人Pの一人) 「釣れますか?昨日どうでした?」
(Hiro)      「いゃ〜ボウズですわ」
(7)        「本流はダメだったけど、岩苔(小谷)で、尺もの釣りました」
(Hiro)      (・・・・・・)
というわけで、黒部川も素人ではなかなか釣れないという事だろうか?

8月20日 C3(4:50)−太郎平小屋(5:10)−折立(7:20)−富山−名古屋


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The Original : 1994/9/13
1995/1/21
1st Updated : 2001/2/22
2nd Updated : 2001/7/20