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乗鞍高原
雪崩事故を防ぐための講習会
1998/2/8〜10

Hiroほか

1998年2月8日〜10日に開催された、労山第12回雪崩講習会を受講した。愛知からは、Sさんが基本クラスを、MさんとHiroが中級クラスを受講した。

2月8日 開校式が終わると、早速各クラスに分かれて現地講習に出発。中級は、雪質をじっくり見ることを主眼とし、積雪の断面観察やハンドテスト(弱層テスト)を中心に講習が進められた。

積雪の断面観察(8-ii-1998 Hiro撮影) リフトを乗り継ぎ、ゲレンデ最上部から少し登った講習地へ着くと、すぐにピットを掘って積雪の断面観察である。最初のピットでは、地形と木の影響を受けた、積雪内部の層構造について観察した。次のピットでは・積雪内部の温度分布の計測・層構造と雪質についての判断・断面を崩壊させてすべり面の雪質の観察を行った。

昼食後、新田隆三先生(信州大学)から雪質とその変化の要因の解説を受ける。現地講習が終わると、レポート(積雪断面の観察結果の作図)が待っていた。

夕食後、机上講座。低体温症に関して・救助の面・医学的な面・昨年の講習会で行われた雪中埋没低体温症実験、について3人の講師の話を聞いた。その後の懇親会では、ビールや各地のお酒などで大いに盛り上がった。

2月9日 6:00〜完全装備&ヘッドランプで風雪の中へ出て早朝観察(ピットを掘り、雪質を観察し、記録する)。

朝食後、午前中は数ヵ所でハンドテストとピット掘り&断面観察。新田先生から、今日の雪質と危険の判断を聞き、ハンドテストの実演もあった。

午後、ビーコンによる捜索の練習を行った。まだまだ未熟であり、装着法・捜索法を含めて学習・訓練が必要である。

夕食後、まず新田先生持参のビデオ上映。エクストリームスキーヤー&スノーボーダーは急傾斜のパウダースノーを滑るため、雪崩について真剣に学んでいる。続いて講習会代表の中山達生さんから「登山者(リーダー・指導者・会代表)の責任」に関して・危険を予見し回避する注意義務・他の登山者の救助に関わった場合の緊急事務管理、善意無過失といった考え方・公開山行などでの免責念書が効力を持たない点、などについて講義があった。

2月10日 11:00〜閉校式が行われ、私たちも修了証をもらった(こんな小道具2年前はなかったぞ・・・・・・でもうれしい)。

今回の受講では、「広幅六花の新雪結晶」が観察できたことや、「しもざらめ雪」「ざらめ雪」の観察と変化条件の理解が進んだことなど、多くの経験と刺激を得た。そして ★なぜ受講したのか ★この経験をこれからの登山にどう活かすか ★山の仲間と共に、どのように雪崩についての学習をやっていくか、を問われる講習であった。


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The Original : RA No.305, 1998/3/27
1st Updated : 2001/2/23
2nd Updated ; 2002/4/10