時事(児童問題)

2004年6月28日
児童虐待防止SOSの合図見逃すな
  児童虐待が一向に減る様子がない。
  2004年版「青少年の現状と施策」(青少年白書)によると、〇二年度に全国の児童相談所が処理した相談件数は23738件と過去最高となった ネグレクト(養育放棄)を含む虐待の実態は深刻である。

  大人が子どもを温かく見守り支えていくことが求められているが、現実は逆の方に向かっていると言わざるを得ない。
 虐待者の85%が両親で、「虐待を受けた子は、自分も他人も信じられなくなる」と話している。

  また、虐待を経験した子どもが大人になって虐待する側になるという悪循環を指摘する研究者もいる。それだけに大人の責任は重い。同時に子どもの行動に関心を持ち、「一声掛ける」地域のネットワークと学校、公的機関の連携が重要といえよう。
 昨年1年間に18歳未満の子どもが虐待を受けて死亡した事件は全国で41件あった。
 10月から施行される改正児童虐待防止法では、虐待を子どもの著しい人権侵害と定義した。

  保護者の監護義務を強化するとともに、通告義務も「虐待を受けたと思われる子どもを見つけた」場合にまで拡大している。被害児童をなくすためにも法律の趣旨を生かした周囲の注意が不可欠といえよう。
  児童福祉司の増員は大切である。なにより虐待防止には、身近な大人たちが子どもたちの発するSOSのシグナルを見逃さないことが大切だ。


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