1.狂い咲きはなぜ起きるのか? |
本来開花する時期に咲かないで、季節外れにサクラなどの |
花が咲くことを「狂い咲き」と言いますが、この現象はどうして |
起きるのでしょうか? |
サクラなど落葉樹の場合、花芽ができてから開花するまでの |
メカニズムは次のようになっているそうです。 |
花芽ができた後で、各葉に「成長抑制ホルモン」が作られ、 |
これが花芽に移動する。そして葉は役目を終えて落葉する。 |
花芽は、例え季節外れの暖かさがやってきても、「成長抑制 |
ホルモン」の効果から、そのまま冬を越します。 |
そしてこの「成長抑制ホルモン」は冬の寒さによって壊されま |
す。この「成長抑制ホルモン」が壊されてから、春を迎えて暖か |
くなると、グングン成長し、ちょうど良い時期に開花するのが通 |
常の姿です。 |
ところが、各葉で作られた「成長抑制ホルモン」が花芽に移 |
動する前に大型台風などによって、大事な葉を千切り取られ |
ますと、「成長抑制ホルモン」が花芽に届きません。 |
それでも異常な暖かさがやって来なければ、花芽はそのまま |
冬を越しますので、「狂い咲き」は起きません。 |
問題は、台風などで「成長抑制ホルモン」が花芽に届かない |
場合で、かつ異常な暖かさがやってきた時に、もう春が来たの |
かと勘違いさせられ開花してしまうのです。 |
つまり、「成長抑制ホルモン」が花芽に届かない場合で、異 |
常な暖かさがやってきたという二つの条件が重なった時に「狂 |
い咲き」と言れる現象が起きるのです。 |
園芸教室の先生がおっしゃるには、植物にとっては「狂い咲 |
き」と言われるのは、心外だと思っているに違いないとのことで |
した。 |
果たして、今年の台風の到来状況はどうでしょうか?そして |
その後に異常な暖かさがやってくることがあるのでしょうか? |
関心を持って注目していたいと思います(この項終わり)。 |