病気の概要

先天性肺動脈弁狭窄症とは・・・
上の図で示した肺動脈弁が、生まれつき、あまり開いていないために、
心臓から肺動脈に充分な量の血液が送れなくなるために起こる病気です。

流れの悪い血液を、心臓が圧力で、弁のむこうへと押し出そうとするため、
肺動脈弁を通るときの血流が早くなります。
その血流の流れが早ければ早いほど、心臓が無理をしている、
ということになります。
そのように無理をし続けていると、心臓の筋肉が厚くなり、
心肥大がみられるようになります。

肺動脈狭窄症も、同じように、肺動脈の一部が生まれつき狭いために
引き起こされる病気です。
症状

症状は、その肺動脈弁・肺動脈の狭窄の度合いによって大きく変わります。
日常生活に支障をきたさない軽度のものから、
重度になると、右心室に血液が溜まりすぎたために、
機能が急激に低下し、身体の各部にトラブルを起こし始める
「心不全」の症状が出るようになります。
腹水や皮下浮腫の症状がみられ、死に至る場合もあります。

6ヶ月未満で重度の症状がみられる場合、
治療を行わなければ、生後1年程で
命を落としてしまうことが多いそうです。
治療

軽度であれば、継続的に投薬を行い、食事療法と安静というような
内科的な処置で様子をみます。
重度の場合は、手術が必要になります。
管の先に、専用の風船を取り付けた、バルーンカテーテルという器具を
心臓まで挿入し、狭窄箇所でバルーンをふくらませて
弁や血管を拡げる手術や、それで適応できない場合には、
心臓を直接開いて、処置をする、という大掛かりな手術が必要になります。

手術が成功すれば、心疾患のない犬と変わらない
生活ができるようになります。
寿命も健康な犬と変わらなくなります。

ただ、それだけの大手術を行える病院は
そうありません。何時間もかけて治療に通う方も
いるようです。そのため、内科的な処置に頼らざるを
えない場合が多いのです。
 
 
   
 
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