アビーが、先天性の心臓病を持っているとわかったとき、
その話を話した人たちの反応は、
2つにわかれました。

かわいそうだけど、お金もうんとかかるし、あとで大変だから、
ペットショップに返して、違う子をもらってきた方がいい、と言う人たち。

ものじゃないんだから、ものと同じように交換なんてできないよね、
と言う人たち。

前者の意見ももっともです。
軽症のアビーでさえ、定期検診では、1万5千円くらいかかるし、
毎日飲ませる薬も、1ヶ月で3〜4千円くらいはします。
最初の精密検査でも、6万円以上払いました。
もし、手術をすることになれば、たくさんのお金が必要です。
健康な他の子犬を飼うよりも、ずっとずっとお金がかかる可能性が高いです。
時間も手間も、多くかかることは目に見えています。

でも、先代犬が亡くなったときに思ったように、
そのワンの存在は、そのワン以外にかわりがありません。
私には、アビーをもとのペットショップに返す、なんて選択肢は、
初めからありませんでした。

ペットショップからは、
「アビーちゃんはこちらに返していただいた方が
アビーちゃんにとって良いと思います、
こちらで手術を受けさせるし、こちらでちゃんと面倒をみますから」
と言われましたが、全く真実味がない言葉に聞こえました。
アビーにとっての幸せは、このままうちで暮らすことだと、私は思いました。

アビーのかかりつけの先生は、心臓病のワンを4匹も飼っています。
どのワンも、先天性の心臓病が判明したために、
ペットショップから「いらないから、先生にあげます」と言われ、
先生にもらわれた、といういきさつ付きです。
先生は、私に、「どうしても飼えない、というのであれば、
返してもいいと思いますが、もし返された場合に、
その後のワンちゃんの運命は良いものではありません。殺処分もありえます。
出来ることなら、飼ってあげてください」と何度も言いました。
返すなんて考えてもいませんでしたが、涙が出ました。

同じ状況にあり、返すか返さないか迷っている方がいたら、
出来る限り、返さないであなたが飼ってほしいと思います。
そのワンの命は、あなたが握っているのです。

先天性の疾患を持ってしまっても、
幸せな一生を送れるワンが増えることを願ってやみません。
 
 
   
 
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