雨ニモマケズ 風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク 決シテ瞋(いか)ラズ
イツモシヅカニワラツテイル
一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ 小サナ萱ブキ小屋ニイテ
東ニ病気ノ子供アレバ 行ツテ看病シテヤリ
西ニ疲レタ母アレバ 行ツテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニソウナ人アレバ
行ツテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクワヤソシヨウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ クニモサレズ
サウイウモノニ ワタシハナリタイ
宮沢賢治
私がこの詩に出会ったのは、小学校の高学年だったと思います。 始めの「」は、リズムもよく、すんなりと入ってきたのですが、 後半の「ミンナニデクノボートヨバレ……」は、何だかそんな人生つまらない、そんなんでいいのかなと漠然とながら感じました。
「サウイウモノニ ワタシハナリタイ」と、願っていることに奇妙ささえ 覚えた記憶があります。 詩全体のイメージは、申し訳ないのですが、 どこか鈍臭く、昔の生活の詩という感じでした。 あまり好きな感じはしませんでした。 むしろ、よく分からないながらも、反発心のようなものさえ、いつまでもくすぶっているようでした。
でも、どうしてか何年たっても、心の奥にひっかかり、忘れられず、 気になる詩でした。 年を経るとともに、この詩の純朴さを共感を持って味わえるようになってきました。 その言葉の持つ深い意味・尊さに少しずつ気づかされました。
こういう人になれるように心掛けて行きたいと思うのです。 本当に、こういう人になれたら……。
金子みすず
私のいのちに「ありがとう」って言ったら、 「ありがとう」が体の中でこだまして、 きらきらと反響するでしょうか。