源氏をめぐる女君たち 
 藤壺の女御
  先帝の四の宮
源氏の母桐壷の更衣の
亡き後、父桐壺帝の女御として入内した母に良く似た藤壷を源氏は理想の女性として慕い続ける。
藤壺の宿下りの夜結ばれ 
その過ちの為、不義の子
「冷泉帝」が生まれる。
その罪深さに源氏も藤壷も苦しむ。
のちに中宮となるが「桐壺帝」の死と共に尼となる。

背景用画像藤壺
 葵の上
 源氏の正妻
左大臣の娘で兄は幼馴染の親友「頭の中将」
年上の引け目から源氏と馴染めず夫婦の仲は冷え、その間に源氏の女性遍歴は繰り返される。
のちに心が通じ合い、
息子「夕霧」を生むが、出産の後,ものの怪(六条御息所の生霊)に取り殺される。
 
           

 空蝉    
 伊予の介の後妻
源氏十七歳のある五月雨の夜「頭の中将」ら若い男達との女の品定めに触発され、方違いのため立ち寄った伊予の守の家で垣間見た継母の「空蝉」の姿に惹かれ寝屋に忍び込む。
その後に連れなくされたことが源氏の未練を誘う。
のちに伊予の介の死後尼と成った空蝉を源氏は二条の院に引き取り世話をする。
    
  夕顔   
 頭の中将の元愛妾
六条御息所の処へ通って居た頃、
乳母の見舞いに行った途中、夕顔の咲く質素な家にひっそりと住む女性に惹かれ、お互い名も名乗らずに忍びあうようになる。
女の様子から、話に聞いた「頭の中将」との間に女の子のいる人で正妻にいびり出された女性だと、うすうす察するが、ある夜「某の院」に伴い過ごしていると、ものの怪が現れ「夕顔」は取り殺されてしまう。
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六条御息所
 先の皇太子の妃
多分源氏の始めての女性であったと思われる年上の誇り高い未亡人で
その誇り高さが感情を内に篭らせ、嫉妬の思いが生霊となり「夕顔」と「葵の上]を呪い殺す。
おのれの忌まわしさに苦しむが、娘が斎王に成るのに伴い、都を離れ伊勢へ下る。
のちに都に戻り病を得て娘(後の秋好中宮)を源氏に託して亡くなる。


 末摘花
故常陸の宮親王の王女
若紫を引き取った頃、琴の名手の姫の噂を聞き「頭の中将」との競争心から忍んで行き,顔も確かめずに、一夜を過ごすが、その顔の醜いのと学問に通じた才覚の鋭さにすっかり興ざめしてしまい通うことをやめる。 
「源氏」が須磨から戻った後、久し振りに屋敷に立ち寄ると、源氏を一筋に待ちわび、蓬生い茂る荒れた屋敷に不自由な生活をする「末摘花」を哀れみ、世話をする
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 若紫
 藤壺の姪
源氏は夕顔の死で悲しみと恐ろしさで病に成り、「北山の聖」に加持祈祷を受けに行く。
そこで、「藤壺」に何処か似ている少女「若紫」を見初める。
のちに育てていた祖母が亡くなると「若紫」を二条の院に さらう様に引き取り、自分好みの理想の女性に教育していく。
  
           →  
 紫の上
源氏の期待どうりの女性に成長した「若紫」は「葵の上」が亡くなると、事実上の正妻「紫の上」となる。
他の女性達やなさぬ仲の子供、周囲に何くれとなく気を配り、源氏が須磨に移ったおりも留守を守り、完璧な「正妻」としての姿に源氏は信頼と敬愛深めるが、「紫の上」は他の女性への悩み、特に晩年に源氏の兄「朱雀帝」の求めで正妻の地位に付く若い「女三の宮」の事には深く心をいためる。

    
明石の上
先の播磨の守「明石の入道」の娘
「桐壺帝」の死後兄「朱雀帝」御代に成ると「弘徽殿女御]や右大臣が力を増し己の身の危険を感た「源氏」は自ら都を退き「須磨」へと移り住む。
わび住まいの一年が過ぎた頃、大暴風が吹き荒れその夜「桐壺帝」の霊が夢枕に立ち「此処を立ち退き、迎えの者の行く先へ向かえ」と言い消える。


 花散里
 父「桐壺帝」の女御「麗景殿」の妹
まだ「源氏」が内裏に住んで居た頃、馴染んだ方で、それ以後は、離れていたがある五月雨が晴れた日、懐かしく思い出し「桐壺帝」の死後ひっそりと姉妹で暮らす、橘の香りと不如帰の声のする簡素な屋敷に訪ねて昔話に涙する。
のちに姉妹を二条の院に引き取り世話をする。
以後は内裏との繋ぎ役や子供達の教育など、「紫の上」の補佐役のような立場となる。
     
 朧月夜
 右大臣の六の君、
弘徽殿の女御の妹で源氏二十歳の春内裏で桜の宴が模様された折、弘徽殿の廊下を通りかかった「朧月夜」と酔いと春の宵の悪戯心に契りを交わすが「弘徽殿の女御」の妹で東宮の元へ入内が定まっている女性と後で知る。
良く無いと判りながらもその後も逢瀬を重ね「右大臣」に知られ「弘徽殿女御」の怒りをかい、兄「朱雀帝」の御代になると身の危険を感じた「源氏」は自ら都を離れ「須磨」に落ちること となる。
 
翌朝迎えに来た、「入道」の世話で明石に渡る。
「入道」のたっての願いで娘「明石の上」と契りを結ぶ。
そのころ都では災いが起こり,これも源氏への仕打ちを「故桐壺帝」が怒ったと思った「朱雀帝」は源氏を都へ呼び戻す。
身重の「明石の上」を残し、源氏は都に帰るが、明石の上は女の子「明石の姫」を産む。
のちに「明石の上」も都に上り六条の院に住み、「姫」は「紫の上」に養育され成長し一家の期待を担い入内する。

       
 玉鬘
 「頭の中将」と「夕顔」の娘
夕顔亡き後、乳母に筑紫国で育てられた「玉鬘」が都に戻ると源氏は養女にして傍に置くがその内に親子の立場を越え愛するように成る。
実父「頭の中将」と対面させるが、その美しさに言い寄る男も多く、源氏の弟「兵部の卿」や「夕霧」柏木」までが心をよせる。
「花散る里」に後援させ内裏へ、出仕する事となつた頃「髯黒大将」と言う妻子有る男に連れ去られる。

              
女三の宮
 源氏の兄「朱雀帝」の三の宮
皇位を退いた朱雀院が娘の身を案じて源氏に強く頼み込み正妻の座に着かせる。
六条の院での蹴鞠の会で「女三の宮」をかいま見た「頭の中将」の息子「柏木」がかねてより心を寄せていた思いを募らせ、源氏の留守に契りをむすぶ。
やがて「女三の宮」は「柏木」との不義の子「薫」を産む。
其れを知った源氏は若い頃「藤壺」と犯した己が罪の報いかと思う。
自責の思いに「女三の宮」は尼となり柏木も病となり亡なる。
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