バウホール公演
「ささら笹舟」
雪組期待のホープ!貴城けいさんの、初主演バウ!!作品も出演者も私にとっては、素晴らしいものでした。
どう語ればこれがみなさんに伝わるのか…何をどう書けばいいのか、今までで一番悩んでるかもしれません(笑)。いい言葉が見つからないんです。
つたない文章ですが、とにかくあらすじと感想を…めちゃくちゃ長文です。
セットは竹やぶで、幕開きはライトがあたって幕が透けると、本舞台にはまるでロウ人形館か、静止画像かと言った感じで、それぞれがポーズをつけて立ってます。
またそのポーズが、死際を物語っている訳です…のちのち、みんなが殺されるか、自害となるのですが、その時の死に方が、同じポーズなのです。話は光秀が死んだ3年後のその場所から始まります…竹やぶに光秀を殺した長兵衛(風早優さん)が「あの世で会った時には、頭があがらない」と、お酒を備えにやってきます。そこへ読経をあげてやろうと、旅の雲水(ここ桂ちゃんです)が通りかかり、悩んでる様子の長兵衛の話を聞く事となるのです。
それが落ち武者狩の話…自分の殺した光秀は「悪人か善人か」。雲水(ここからかしげさん)が明智光秀・影武者の生涯を語る事となるのです。話は本編へと移り明智家の再興を夢見て、生き延びている光秀、忍耐苦労の日々…そんな中、家臣達にもてなしができなくては…と立派な黒髪を売ってまで、光秀を影で支える妻ひろこ、そこに家臣達、明智5人衆が登場!
献上品を持って来たが、光秀には家臣達の苦労も痛い程わかるため、「お金に変えてみんなに」と言うが…家臣達も思いがあっての献上品、光秀は有り難く頂く事となる。溝尾庄兵衛(汝鳥伶さん)がある一軒家を訪ねる。明智家の為、影武者として育てられて来た妻木幸四郎(貴城さん)影としての指令が下り、その存在を知られてはいけない為、生きた証を自ら消し去るため、母をも殺せと言われ「明智のためなら」と覚悟を決める物の、母を切る事が出来ず、母登勢(灯奈美さん)は「何処かですれ違っても見えなければ…」と自ら目を傷つける。
その後光秀は自分の影武者(桂ちゃん)となる男がいる事を知り、ウリふたつの声や姿を持つ幸四郎に驚く。影になるためには、自分の悲しみを背負うだけでなく、光秀の悲しみも背負う事になる…影の存在を知っているのは、光秀、溝尾庄兵衛、幸四郎の3人だけ、その存在を妻のひろこにさえ悟られてはいけないと強く幸四郎に言う。
坂本城を襲撃された信長(箙かおるさん)はその城下を焼き払って、比叡山に逃げ込んだ敵を焼き討ちせよと命令するが、それに光秀はそれでは上様の汚点になると反対した所、信長の反感を買い、ならばお前が3日で落とせと命令をうける。出来なければハラを切れと…
そして光秀は帝から勅状をもらい、比叡山との和議を求めようと、家臣を連れて京へ向かう。
しかし喜びもつかの間、帰ってみると信長の命令で、すでに比叡山は火の海とかしていた…家康の為に用意した2つとない名器を見た信長は、なぜそこまでするのかと腹を立て、お小姓の欄丸(天勢いづるさん)に鉄扇を渡し、光秀を打てと命令し、欄丸は従って何度も頭を殴りつける…そこまでたえる光秀に、家臣達は改めて着いて行くと堅く決心するのです。しかし今までの仕打ちに我慢に我慢を重ねて来た光秀は、たえきれずそのあとの事を、影に任せて姿をかくしてしまう。
役目を引き継いだ影は、光秀と同じキズをつける。ひろこに手厚く手当てをしてもらった影の光秀は、その優しさに心が動き、唇を重ねる…しかしひろこにその温もりは、殿の物ではないと、悟られてしまう。しかし影武者だと言ってしまえばひろこでさえ、闇から闇へと葬りされかねない…
祭りに出かけた所で幸四郎の許嫁だった、よし乃(有沙美帆さん)と再開する。それを見た溝尾庄兵衛は影武者の存在を知られてはいけない、殿の命を狙おうとしていたと、よし乃を斬り付けてしまう。
そこによし乃をを探して盲目の登勢が現れ、こいつも仲間だと庄兵衛は斬ろうとするが、影の光秀はそれが母であると分かっているため、さいなまれる思いで間者かいなか問いただしてみる。間者と言わなければ助かる物の、登勢は「明智光秀」と名を聞いて、それが幸四郎だと気付き、幸四郎を守るため自分は間者だと口にしてしまう。
そして幸四郎みずから、母を斬る事となる。そしてまたも信長の傍若無人なひどい仕打ちは留まる所を知らず。家臣達はなぜ従うのかと疑問を投げかけるが、光秀は命令だからと船を出そうとする、その時どこからか「それはならん!信長の野望を打ち砕け」と光秀の声が…しかし、目の前にも光秀が…困惑する家臣達に、ついに影だと打ち明け、光秀の有名な台詞「敵は本能寺にあり!!」と、信長を見事に打ち取る!
そしてその事を知った豊臣秀吉(未沙のえるさん)が攻めてくる、そして天王山を奪い取られ、体勢を立て直して再び立ち向かおうとそこを一時逃げる事となる。光秀を逃がすのに時間を稼ぐため明智光忠(桂ちゃん)が敵を引き付ける事となり、数人の家臣を連れて勇敢に立ち向かう…そして銃弾に倒れる。(;_;)
一方光秀たちは、小栗栖の竹やぶの中…深手を追った天野源右衛門(美郷真也さん)は足手纏いになるから置いて行くよう光秀に頼む、光秀は出来ないと言うが、これではもたないのはわかりきっている事、藤田伝五郎(未来優希さん)は「役に立たないやつは斬り捨てるぞ」と、悲しみをこらえ源右衛門を斬る。
そこへ落ち武者狩りの農民達に襲われ、一度は追い払うが、また攻めてくると、その場を立ち去ろうとするが、幸四郎だけは動かず、「みんなの目的は光秀の首だから」と、光秀を逃がそうとする。
しかし光秀は、どちらが残ろうと光秀には変わりはない、ただ一つあるとすればひろこが本当に愛した方が残るべきだと言い放つ。
そして農民達が再び攻めてくる、このどさくさの中殿を守り連れ出したが、それは光秀ではなく、幸四郎の方だった(?)。(と思う…)1人農民に立ち向かう光秀、いくら甲冑を着て刀を持っていると言えども、大勢の農民に叶うはずもなく、影でチャンスを伺っていた長兵衛に竹槍で貫かれてしまう。
光秀が死んだ事を知った、ひろこや娘、戦に参加していなかった家臣の明智秀満(蘭香レアさん)達明智家のものは自害をするのでした。
再び雲水(桂ちゃん)と長兵衛、ふと長兵衛は疑問に気付く…どうして雲水が光秀や、影武者の事まで詳しく知っているのか…深くかぶった笠から覗かせたその顔は、まぎれもなく光秀。腰を抜かす長兵衛、自分が殺したのは影武者か?しかし雲水は「光と影は両方が揃って一つ。自分はどちらでもない」と…
そして主題歌となり、雲水の歌う後ろに、幻影のようにすべての人たちが現れまた去ってゆくのでありました。
この公演とにかく感じたのが、「ハマリ役が多いこと」下級生までが素晴らしい演技、お化粧の不馴れはちょっと感じましたが、さすが雪組!!と思わずにはいられませんでした。
そして、久々に見たカンカン立ち回り…竹やりを持ってすれ違うだけでも、きっと危険な事ですよね。ここまで生徒達にやらさたのは、凄いと思いますね。いよいよ感想です。
★貴城けいさん(明智光秀、妻木幸四郎、雲水)
なんと言ってもかしげさんの素晴らしい事…感情移入の仕方、お芝居はもちろん、歌もお化粧も上手ですし、綺麗でしたかっこよかった〜。早変わりも多く、3役を見事にこなしていましたね、ダミーと入れ代わりも多く、並み大抵の努力では出来ないと思いますが、生っ粋の雪組っ子のかしげさんだからこそ、出来た事だとおもいます。
初主演でこれだけ私をうなづかせてくれるバウ公演は、初めてでした。どこの場面だったか、お芝居に引き込まれ、桂ちゃんの出ている場面なのに、忘れてしまう程かしげさんに引き付けられてしまいました。
立ち回りも凄くて、結構カンカン音がしていましたし、本格的な物でした。見ている方が恐くなるくらい…これも雪組だから出来た事だと思います。
立ち回りは、かなりお稽古をしたそうですね。
そして光秀さんって、アナジのようで、バッカスのジュリアンのようですね、アナジはみんなに慕われていて、みんながアナジに命を預けてました。ジュリアンは争わずに事をおさめたい、「幸せになるのは私でなくともいい」と人の事を考えていました。光秀は家臣は宝、戦のない世を作りたい、なんだか似てますよね。
どの作品も谷先生だからかも知れませんね。★紺野まひるさん(光秀の妻 熙子)
光秀と共に幸四郎の事も愛してしまい、女としてただささやかな夢を見ていたいと思う気持ちが良く伝わって来ました。控えめだけど、影ながら光秀を支えて来た芯の強さを感じる場面もありました。
申し分ないまひるさんの演技、歌ですね。★灯奈美さん(幸四郎の母 登勢)
最近母親役をやらせたら、右に出る物はいないのではないかと思う程、この方の演技には泣かされます。
「バッカス…」では桂ちゃんの母親でした。「窓を大きく開けなさい」と娘達に教える所はジンとしました。「アナジ」の時の母親役も、息子を思って死んで行きます。今回も影武者となる息子に対して「母を斬りなさい」と自らの命を差し出しますが、優しい幸四郎には出来ません。ならばこの目が見えなければ…と、自分で自分の目をかき斬ります。のちに再会した時も、「殿を殺そうとする刺客か」と問われ、影武者となった立場の幸四郎を守るため、喜んで死んでゆく所は涙無しでは、見られませんでした。★美郷真也さん(光秀の家臣 天野源右兵衛)
いつもいい味を出して下さって、今回も家臣のなかではムードメーカーなんだろうなと思わせる存在でした。深手を追って、これでは足手纏いになるから置いて行ってくれと言い出し、光秀を慕ってる様子が出ていました。そして仲間の手によって、死んでゆく所は、泣きました。
この先光秀の為になれず、こうして死んでゆくのはどれだけ無念だった事でしょうね。★風早優さん(長兵衛、木隅作り)
光秀を殺した農民を立派に演じていました。長兵衛と雲水の出合いによって、話が進んで行く重要な役所でした。この方の味のある演技も好きなんですよね。演出上光秀を殺す場面は、ちょっと物足りない感じが残念でした。
途中で出てくる木隅作り、人形使いなのですが、人形が貴船尚さん、お顔の似たもの同志と有名ですが、息もぴったりでした。尚子ちゃんにお面を何度も渡すのですが、その時に気遣っている様子が見ていて分かったのですが、みやたんの人柄の良さも垣間見れた感じでした。★未来優希さん(光秀の家臣 藤田伝五郎)
何を申し上げたらいいのでしょう…だって上手なんですもの。皆様もご存じのと通り、やっぱり歌わせたら素晴らしいんです。もちろんお芝居だって、安心して観て聞いていられる方なんですよね。でも今回1人でじっくり歌う場面がなかったのが残念でした。
印象的な場面は、源右兵衛さんが深手を追ってもう逃げ切れないからと言い出した時に、明智の家臣として役に立たないやつは斬るぞと、怒るでもなく涙をこらえながら、でもほほえみを浮かべて言う所です。その表情、言い回しが涙をそそるんです。
源右兵衛さんも、お前に殺されるならと…これまで共に歩んで来た仲間をこのまま残して行ってもいづれは死んでしまう、ならばいっそのことこの手で一思いにって思いからなんでしょうね。★蘭香レアさん(明智秀満)
光秀に憧れ慕い、どこまでも着いて行く忠実な家臣を演じていました。誠実さがとてもでていて、良かったです。でもどうして秀満さんは、最後の場面は戦に行かなかったのでしょうか?そこが疑問なんです。(谷先生どうして〜?)
光秀が死んだと知って、自害をするのですが、自分の刀で首を斬り前に倒れるのですが、それがまた体当たり演技で、凄い音を立てて倒れていました。アザも凄いのではないかと…思います。★天勢いづるさん(信長の小姓 森蘭丸)
綺麗でした。友達がファンなので、いつも注目して観ているのですが、この方もとても芝居心のある方で、上手なんですよね。いづるさんも、死際はかなり体当たりの様でした。階段の所に倒れるのですが、頭を段に打ち付けそうな勢いでした。(打ってたかも?)★音月桂さん(明智光忠)
お待たせしました、いよいよ桂ちゃんです!
も〜、なんて立派なのでしょう!入り出の時の可愛い様子とは、打って変わってかっこいいのナンのって…声もしっかりしていて、歌もなかなか研3にしては、上出来!!初めてきちんとした日本物のお芝居に取り組んだだけに、いろいろ苦労はあると思うのですが、頑張っていました。
レアさんと二人で舞う所もあり、ソロも少しあって、台詞もわりと多くて、とても目立っていました。
そして、顔は見えないのですが、かしげさんのダミ−で雲水と幸四郎もやっていますね、見られた方は、どれが桂ちゃんかお分かりになりましたか?
光秀を逃がすために、自分が劣りになる所は、リリシかったです。「共に狂いましょうぞ!」なんて言われては「はい狂います」と言ってしまうでしょう(笑)。
そして「死に場所を得ようぞ」と言っていたと思いますが、桂ちゃんが中心で、家臣を5人引き連れて、壇上から叫びながら本舞台へと駆けおり、敵の銃撃をうけてかっこよく死んでくれました。見せ場です。★他にも、みんな良かったです!専科の方を始め、下級生までセリフもあって頑張っていました。
谷先生の作品って、好きなんですよ。だからここまでいいと、言い切れてしまうのかも知れませんが、ここまで私が絶賛してしまう作品は、久し振りです。
できる事ならまた観たい!!東上してほしいですね、でもそれがいけない時期だったら凄く悲しいけど、沢山の方に観てもらいたいです。