3月13日 新人公演
「猛き黄金の国」

「猛き黄金の国」

桂ちゃん初主演の公演が終わりました。まだ2番手の経験もないうちに、抜擢され、どうなる事かと思いましたが大成功(?)無事に終わりました。
あらすじに添いながら、感想を書いてみたいと思います。

劇場に入る前はドキドキドキドキ、チケットを頂き入り口へ…膝が笑い(震え)そうでした、でも期待感も増幅。桂ちゃんの顔がついたプログラムにまずニンマリしながら席に着きました。
目立つ黄色い軍団(笑)、この会服がどこにいてもすぐわかる、1人で着ていても目立つのに、集団ですから…会服を着る事自体数年ぶり、人目が非常に気になり恥ずかしかったです。

いよいよ開演アナウンス。「皆様、本日はようこそ宝塚大劇場へおこし下さいました、雪組の音月桂です…」まぎれもなく桂ちゃんの声でした。落ち着いたトーンのアナウンス、耳を済ませながらじっくりと聞き惚れました。

曲がなり、とある料亭…三菱が出来て彌太郎も大きな人物になった頃からはじまります。
桂ちゃんの声色は?ヒゲは?カツラは?土佐弁は?少しして桂ちゃん登場、第一声を聞いて姿を見て「いける!大丈夫だ」そう確信する事ができました。
お化粧も本役さんに近く(轟さんに似ていました)、男らしい切れ長の目(?)凄みを見せるセリフもまずまず…とっても堂々と凛とした姿でした。
銀橋を渡りながらの歌も声が良く出ていました、私的に言えばもう少しノビのある感じが好きかな?と思いましたが、上手に歌っていたと思います。

ここで現代に移り変わり、四国に観光旅行に訪れているカップル矢島ヤタロウ(聖さん)とヒトミ(山科)が、四国遍路に来ていた神宮寺(牧勢さん)に記念撮影をしてもらうためにカメラを渡し、そこにヤタロウと書いてある事に気付き二人に同じ名前である彌太郎の名前がほられている寄贈物を見せる。ヤタロウは就職試験が近い事もあって、何かの役に立つかもと彌太郎の話を聞く。しかしヒトミが厚底ブーツの為ねん挫してしまい、岩崎彌太郎の話をしつつ、病院へ同行する事となる。

この現代っ子の二人、金髪にピアスのヤタロウ…ちゃらちゃらした身なりをしていても、中身はいいヤツと思える可愛くもありかっこいい聖さん、小さくて細いコギャル風な愛ちゃん、本当に可愛かったです。
ヒゲを付けた牧勢さん、自分なりの神宮寺さんを演じいい味だしてました。

彌太郎の若き時代に話は戻り、紺野まひるさん演じる喜勢さん達、若い娘さん達が田植えをしている所に現れる彌太郎、娘達に「裾をもっとめくらんと、よごれるぞ〜」とちょっかいを出します、ちょっとスケベな青年。
それに腹を立てた勝ち気な喜勢、彌太郎に「あっち行って!」とビンタを1発くらわして行こうとする喜勢は足を挫いてしまい、彌太郎は親切におぶってあげるのですが、背中に感じる胸の膨らみにスケベ心を出しまた喜勢を怒らせてしまいます。

喜勢が行ってしまった後に友人、川田小一郎(神月)。下級生と言う感じがして、役もまだ青年時代、若々しい初々しい感じがにじみ出ていました。
ジョン万次郎(水純さん)が帰って来た!と話をしている所に上士に「郷士は雨でも傘をさすな、ゲタを履くな、土下座しろ」と言われます。上士が行ってしまった後、屈辱にたえられず刀を抜こうとしていた小一郎、そこを止めに入る坂本竜馬(天勢さん)、竜馬らしい堂々とした姿にキリっとした目、おおきさを感じるお芝居でした。

歌に乗せてアメリカの文化、女性の事など「自由の国」を語るジョン万次郎、その話を聞いた彌太郎は、始めて人に良い意味での妬みを感じる。

現代に戻り、病院で診察を受けたヒトミ、松葉づえでは回れないとレンタカーを借りる事になる。

竜馬に影響を受けた彌太郎も江戸へ行こうと思ったのか、彌太郎が泥棒のようにほっかむりをして、唐草模様のふろしきを抱え、オケボックスからこそこそと銀橋に登場。もう、桂ちゃん可愛いの一言です(笑)。その姿を母上(花純さん)に見つけられとがめられます。
日頃から土佐藩の吉田東洋(麻愛さん)に見込まれていた事もあって、甥の後藤象二郎(蒼海さん)の供として江戸へ行くよう言われる。願ってもない事でした。
大きな夢を抱えた彌太郎、2度目の銀橋での歌、最初と比べて少し緊張もほぐれたのか良く聞こえました。

江戸で追われる竜馬、新撰組の沖田総司(柊)と出会い刃を向けられる、カキン!と刀がぶつかり合い刀に歯こぼれを見つける竜馬、「あ〜〜〜〜、坂本家伝来の家宝がぁ〜〜」と総司そっちのけで刀を気にする姿が可笑しくて笑いをとっていました。ふと振り返ると、咳き込み吐血している総司、そこに駆け付け愛しい人を守ろうとするお悠(汐夏)、竜馬は「病人を斬る趣味も女を斬る趣味もない」と後にする。

彌太郎は越後屋の店主、三野村利左衛門(玲さん)所で薩摩でも、どこの藩の旗でもない日本の旗を見て、武士として生きるより商業の道を行く事を決心する。竜馬に再会、いずれは二人で七つの海を越えようと肩を酌み交す。

ケガをし新撰組に追われている竜馬、町中で偶然総司と出会う。総司にはもう戦う気はなく「今度生まれて来た時は、友達になれたら…」そう言い残してさって行きました。柊ちゃんの総司も可愛かったです、本役さんに近い役作りをしていたように思いました。

故郷に帰った彌太郎は、商業で身を立てる決心をしたが、資金がなく寺子屋で子供達に学問を教えていた。そこに表れた象二郎、東洋の命令により、長崎で商いができる事となり「転機だ」と喜ぶ。
そしてもう一つ、喜勢と生涯を共にしろと東洋からの手紙をもらう。彌太郎は始めてあった時から喜勢が気になっていたので喜ぶ。
そして二人で銀橋でのデュエット…歌いながらそっと手を差し出す彌太郎に恥じらう喜勢、愛らしいお二人でした。まひるさんはヒロインを何度も勤め、上級生さんと言う事もあって、釣り合いはどうかなと思いましたが、お似合いの二人で、デユエットも息があっていてよかったです。
そこに武市半平太の差し金で殺された東用のふ報が届く…象二郎は半平太とその友である竜馬を恨む。

そしてまた現代、病院…次は神宮寺さんが首にギブスをして出て来ます。ヒトミが足を捻挫したためにレンタカーで移動していたら、ヤタロウが急ブレーキを踏みムチウチに…出て来るだけで笑いがおきてました。

そして長崎、からまれて困っている丸奴(千咲さん)、そこに彌太郎が登場、貫禄のある桂ちゃんでした。銃声でおどすのですが、銃口の向きが誰かに当たっていそうな角度に見えたのは私だけでしょうか?(笑)もう少し上向きがよかったかな?でも、カッコよかったです。

後ろの幕が開くとそこはグラヴァー邸、ここの場面が一番強烈でした。研1の緒月遠麻、金髪のメイド役でした。スタイルの良さに驚きましたが、彼女の勇気にも驚きました。そこまでやるかと思う程の役作り、本役さんとは全く違った役作りで挑んでいました。
まず第一声がドスの聞いた声色で「ハーイ、コーヒーでぇす!」掴みはバッチリ、横ではグラヴァーさん(貴船)と象二郎が武器輸入の商談をしているのに、色気を振りまき象二郎にちょっかいをだし、膝の上に座る始末、その時の蒼海さんの顔が本当にイヤそうな表情でした(笑)。追い払われて怒ってカツラを脱いでしまいドスドスと、上手の隅にいる彌太郎にもちょっかいを出す。桂ちゃんも嫌そうにシッシッとちょっとお茶目な彌太郎でした。
グラヴァーも「オーマイガー」などボソっという言葉がなんとも言えなくかなり可笑しいと思うのですが、どうしてもメイドが気になる存在でした。

また現代に戻り、今度はヤタロウが腕にケガを…繁華街に出かけた3人、ヤクザと知らずにケンカをしてしまったヤタロウだったのです。四国めぐりが病院めぐりに…

借金だらけの象二郎とグラヴァーさんの商談がまとまらず、竜馬の力を借りる事に…しかし、東洋を殺された事もあり、受け入れられない象二郎を彌太郎が説得。象二郎も腹をくくって「向こうが竜なら、こっちは象だ!」と席を設ける。
上手く話が進まず、控えていた竜馬側の海援隊と土佐藩側の土佐藩がぶつかりあう、舞台上は暗くなり彌太郎が「静まれ!」と間に入って止めると明るくなり、なぜか海援隊の1人と土佐藩の1人が抱き合っていたのには???(^_^;)
竜馬には争う気は毛頭なく、象二郎にシェイクハンドを教え話もまとまります。
海援隊の1人が竜馬と握手をしたいらしく、手を差し出すのですが、なぜかそこでハンマー(もち手が黄色で、先がジャバラの赤いやつ)が出て来て、竜馬が海援隊の二人をハンマーで叩いていました。ここは本公ではハリセンなのですが、緒月くんなのです。(名付けてハリセンくん、私達の間では注目の的)

確実に地位と富みを手にした彌太郎、出会った時から気に入っていた丸奴を身請けする事に…時代は明治となり、いくつも社名変更をしていた彌太郎の会社も、三菱と最終的に落ち着く。ここで、「三菱ダンサーズ」登場!!ダンス的には、私はかなり好きです。ダンサーズが踊る中に、彌太郎登場。真っ白なお衣装に少し老けて来た彌太郎、月日が進んでいる様子もきちんと出せていたように思います。一緒になって桂ちゃんも踊るのですがかなりカッコ良いです。三菱の柱として、ワンマン振りも良く出せていたと思います。

商いの本拠地を東京にうつした彌太郎は、離れて暮らしていた喜勢を呼び寄せることに…不安を感じながらも東京へ来た喜勢、掃除に来ていた丸奴と出会う、女中だと思っていた丸奴が妾だと分かって一緒に来ていた彌太郎の母は怒って帰ってしまいます。
「奥様はどうしますか?」と挑戦的に訪ねられ、「妾の1人や二人」と貫禄を見せていたまひるさんでした。ここのやり取りがもっとバチバチとしていても良かったかな?と言う気がしましたが…

商いでのよきライバル、利左衛門が病に倒れ亡くなり、彌太郎は遺書を受け取りこれからの商業を託され、海運会社の合併に応じる事となる。その矢先、彌太郎も倒れてしまう。病み上がりの彌太郎は、引退の決意をし夫婦らしい事がままで出来なかった分、一緒に過ごして行けたらと優しい言葉をかけます。
老けたな、と言う感じが上手く出せていた桂ちゃんです。
そんなやり取りを見ていた丸奴、もうこの二人に自分の入るスキはないと、出て行ってしまいました。

そして現代、妾の話を聞いて「不潔〜」と騒ぐヒトミ、コギャルをしていても身の堅い可愛い愛ちゃんでした。先に東京に帰る神宮寺を駅で見送るヤタロウとヒトミ、お礼を言ってお別れしました。

新年の祝賀パーティーに夫婦同伴で来た彌太郎と喜勢、しかし喜勢は着なれないドレスや場所に戸惑いなだめる彌太郎。ステキな夫婦に見えました。やぱり上手く老けていた桂ちゃんです。
そのパーティに潜り込んで捕まった川上音二郎(凰稀)、桂ちゃんが本役だけあって、音二郎が出て来て演劇の話を聞いている姿は、どこか下級生を暖かく愛しく見ているような感じにも受け取れました。
話しに夢中になっていて、偉い方(天皇?)のおみ足を踏んでしまう彌太郎ですが、偉い方とは分からず、軽く「スミマセン」としか言わない彌太郎に、象二郎がそっと教えます。やっと大変な事をしたと気付いた彌太郎は、ふかぶかと頭を下げていました。

彌太郎は再び病に伏していました。容態は思わしくなく、幻?夢?の中に現れる良きライバル利左衛門、「商業とはなにか」教えてもらった利左衛門と出会った事が大きく道を変えたのでした。次に現れたのはお世話になった東洋先生、最後に竜馬の姿が…久し振りに飲もうと語りかけます。
お腹を抱えるように、苦しまぎれに1人1人に語りかけるのですが、これが結構難しいのではないかと心配していましたが、取り越し苦労でした。
とても上手、なおかつ綺麗な死際でした、老けてはいますが、ライトを浴びてセリ下がる姿に感動しました。最後に「やり残した事はない、わしの人生悔いはない」と言うセリフが「新公に悔いはない」そう思えてなりませんでした。

再び現代、髪をきっちりとしリクルートスーツに身を包んだヤタロウと、コギャルを卒業したヒトミ…面接会場に訪れたヤタロウはそこで神宮寺と再会します。秘書に「専務」と呼ばれたのを聞いて驚く、ヤタロウだけ舞台センターに残り、何処からか彌太郎の声で「受験番号2001番矢島ヤタロウくん、入りたまえ」と呼ばれ、元気に「ハイ」と返事をすると後ろの幕があがり、全員が並んでいて桂ちゃんがセリ上がり主題歌のワンフレーズを歌い幕となりました。

大きな拍手が続き、再び幕が上がると、新公の長である麻愛さんの挨拶が始まりました。真面目に御挨拶をしているのになぜか笑いが…東洋の姿に似合わず、可愛らしい声での挨拶にギャップを感じてです。
笑いがおきたおかげで、喋る事を忘れてしまった麻愛さんでしたが、気を取り直して最後まできちんと挨拶をされました。
そして、「元気一杯体当たりの演技でみんなを引っ張って来てくれました、少しお茶目な彌太郎を演じました音月桂が皆様に御挨拶いたします。」と桂ちゃんを紹介、続けて「せ〜の」のかけ声で、全員が「おとづき〜」と声をかけました。
このかけ声を聞いた瞬間、この新公のお稽古がきっと良い状態で行われて来たのでは?と思えてなりませんでした。初主役の桂ちゃんを中心に一丸となってお稽古して来たような、とてもいい雰囲気の中桂ちゃんもノビノビと演じられたのだと思いました。

もう一つ感動したのが、最後に桂ちゃんがセリ上がりをした後、後ろを振り向き天勢さんと握手をした事でした。竜馬と彌太郎としての握手にも見え、上級生さんと一期下の下級生としての握手にも見え、私には感動的な瞬間でした。

麻愛さんの挨拶中、後ろで立っている桂ちゃんを見ていたら、ドキドキしている面持ちの桂ちゃん、自分が紹介されている辺りから、のびていた指先がグーに…緊張している様子が伝わって来ました。
紹介されてマイクの前に立つ桂ちゃん、一生懸命御挨拶を考えたのでしょうね、立派に挨拶が出来ました。しかし、途中言う事を忘れてしまったのか?言葉に詰まってしまい、私もドキっとしました、「頑張れ」小さな声で呟いてました。すると、客席から大きな拍手が湧きました。涙声になりながら続けた桂ちゃん、最後まできっちりと挨拶する事が出来ました。大きな拍手と共に緞帳は降りて行きました。

私の頭の中は「桂ちゃんだけでなく、新公メンバー全員の予想以上に素晴らしかった事、何よりも桂ちゃんの初主役が無事に終わった」という安心感が一気に押し寄せて、思わずほろほろと不覚にも泣けてしまいました。
もう本当に「無事に終わって良かった」それだけでした。

上級生さんの安定した演技力、芝居心と、桂ちゃんの果てしない可能性と、下級生もできる子が沢山いる事を認識した公演でした。
本当に本当にお疲れ様、ステキな彌太郎さん有り難う。
やっぱり私は桂ちゃんが一番です。