211系0番台

国鉄時代生まれのJR車両・・・、として取り扱われる不思議な電車、211系0番台も日本車両でATS-PT工事を実施しています。
→画像参照はこちらから。


工事概要(2008年12月〜2011年2月)
PT改造施工所  日本車両
PT準備施工所  名古屋工場
改造概要  1.運転台速度計・圧力計上部にATS-PT警告表記を設置。これに伴いEB警告表示とブレーキ増圧表記を併せて表示する為にEB装置とブレーキ増圧ランプ撤去
  
 2.両先頭車両にATS-PT機器箱の設置
   クモハは山側、連結面台車の運転台よりすぐ横
   クハは海側に設置

 3.室内にATS-PT方向設定機の追加
  全車両助士席客室よりテーブル上に設置、これに伴い車掌用LEDをPT方向設定機上部へ移動

 4.速度発電機の追加
   全車両、先頭車の中間車より台車の2軸に速度発電機を追加

 5.ATS-PT車上子の追加
   全車両、先頭車のスカート直後に設置

 6.ATS-PT床下配線の整備
   クモハは山側・海側双方の車体下部に設置
   クハは海側中央よりドアの車体下部のみに設置

 7.運転台ATS-P用のブレーカを設置
準備概要 1.速度発電機の追加(ただし、配線は行わない)

211系5000番台との差異
運転台速度計  改造前にあったブレーキ増圧表記の為に、準備工事の際は運転台を未改造にした
 (これは311系1次車と同様)
PT機器箱の位置  クハに関しては同一だが、クモハに関しては床下機器の配置の違いから、山側に設置
 (5000番台クモハは海側)
ATS-PT床下配線  クモハに関しては山側・海側双方の車体下部に設置(5000番台は海側のみ)

画像
運転台 運転台(C2編成)
こちらは5000番台と同じく速度計・ブレーキ圧力計上部にATS-PT関連表示装置が追加されています。なお、この際にEBランプとブレーキ増圧ランプが撤去されました。
PT装置 ATS-PT装置
従来は車掌用LED表示機があった箇所にATS-PT方向設定機を設置しました。(緑矢印の示すもの)
この設置位置は211系5000番台・213系・311系・313系との操作同一性を優先させる為なのかもしれません。
ちなみに、この改造により車掌用LEDはPT方向設定機の上側に移動しました。(青矢印の示すもの)
ATS-PT装置 ATS-PT配線&機器箱(Mc車・山側)
211系0番台と5000番台ではMM'ユニットの機器位置や装置に差異があるため、5000番台と同等の位置にATS-PT機器箱を追加できません。このため、山側の連結面より台車と中間ドアのわずかな隙間にATS-PT機器箱を設置。(青い矢印の示す先)

そこから、運転台やATS-PT車上子へ向かうべく配線がなされています。(赤い矢印)
この構成はATS-PT機器箱が同じ山側にある211系6000番台や213系と同じといえます。
ATS-PT配線(Mc車・海側)
海側の配線は速度発電機から得た情報とATS-PT装置を結んでいると考えられます。
ATS-PT装置 ATS-PT装置(Tc・海側)
211系0番台のTcのATS-PT装置は5000番台と同じく海側の中間ドアと連結面よりドアに設置されています。
PT車上子 ATS-PT車上子
他の界磁添加グループと同じくスカート直後にATS−PT車上子が設置されました。
台車 台車
重要部検査時に追加された速度発電機に配線を追加したといえます。
スカート追加 スカートの追加
ATS-PT車上子を保護する為か、211系0番台C1編成(2009年1月出場)からスカートの追加が行われました。
のちに211系5000番台、213系、311系も同様の改造が車両区などで実施されました。

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