避難用はしご

JR東海では南海トラフ沖地震等による列車の停止時に備えて、2013年5月ごろより順次編成に1個の避難用はしごを設置し始めました。
避難用はしごの表記は夜間等で車両の電源が落ちた場合も想定して、蓄光式の表記になっています。

2016年6月現在では確認できた車両はキハ75系、313系、キハ25系、211系(0番台含む)、213系、311系、373系、383系、キハ85系です。
その他の車両にも順次検査時に取り付けられると思われますが、置き換え発表済みのキハ40系・キハ11形では取り付けられた車両を確認していません。

なお、取り付け位置は下部にある各系列のページで紹介します。
設置車両の運転士時刻表差しには「避難はしご設置位置 Tc車車いすスペース」(211系の例)のようにテープ文字で表記されています。

系列 
211系0番台
211系5000番台 
213系5000番台
311系 
313系4・5次車&キハ25系(0&1000番台) 
313系3次車
313系3000番台
313系1・2次車(除く3000番台)
373系
383系
キハ75系(1次車&2次車)
キハ85系

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211系0番台   電車最経年車両である211系0番台も2013年12月ごろに車両区にて取り付けられました。
 取り付け位置はクハ210形車いすスペース付近です。
211系0番台避難はしご 211系0番台(クハ210-8)
車いすスペースの端部に設置されています。箱は縦置きの5000番台や311系と
同等のものを使っています。

211系5000番台   神領区の211系では2013年11月ごろより車両区にて設置が開始されています。
 取り付け位置はクハ210形の車いすスペースそばとなっています。 
こちらは211系5000番台 211系5000番台(クハ211-5311)
写真のように邪魔になりにくい位置に設置されています。

213系5000番台    2013年11月ごろから車両区にて設置を開始しています。
 取り付け位置・取り付け方法は313系4次車に準じてクハ212形のトイレ前壁となっています。
213系5000番台 213系5000番台(クハ212-5008)
便所設置改造時に設けられたスペースを活用しています。
都合の良いところが開いていたという感じをうけます。


311系   2013年11月ごろより車両区にて設置が始まっています。
 取り付け位置は他の電車系列と同じくクハですが、車いすペース付近でなく、運転席仕切りそばになっています。
311系はなぜかこんなところに・・・ 311系(クハ310-12)
車いすスペースは211系と同じようになっているのですが、設置位置はなぜか乗務員室のそばになっています。
ドア付近のスペースの少ない同系ではキハ75系同様微妙な状態です。


313系4・5次車&キハ25系(0・1000番台)   製造当初よりクハ312型またはキハ25形0・1000番台に避難用はしごのスペースが用意されていました。
 これらの車は2013年5月より順次車両区で避難はしごが搭載されました。
313系4次車&キハ25系1次車  キハ25系1次車(キハ25-4)
 車いすスペース下部に避難用はしごを搭載。当初よりスペースが確保されているため、ビルトインになっており、客室側に出っ張りがありません。

313系3次車  一見313系4次車と一緒ですが、差は「製造当初より避難はしごのスペースがあるか」です。
 313系3次車ではクハ312形に壁から少し出っ張る形で避難用はしごが搭載されています。
 313系3次車 313系3次車(クハ312-5003)
取り付け位置は313系4次車等と一緒になっています。

313系3000番台   こちらの車両は車いすスペースでなく、車いす対応座席となっているためトイレ前に設置が不可能であるため、
 ワンマン運行時の出入り口とならないクハ車の中央ドアに設置。東海道線基準で山側においてあります。
 こちらの車両の取り付け基準は不明ですが、おそらく313系3次車と同等と思われます。
313系3000番台 313系3000番台(クハ312-3024)
座席とドアの横のスペースに搭載。1か所とはいえ、立ち席スペースを少し犠牲にした形です。


313系1・2次車  3000番台を除く313系1・2次車では車いす対応座席の設置があるため、3次車以降の場所に避難はしごが設置
できませんでした。このため、クハ312形運転席直後のスペースに設置しました。 
313系1・2次車  313系1000番台(クハ312-3)
設置場所がなく、運転席の後ろに設置。乗客から見ればもっとも目立たない位置にあると言えるでしょう。

373系  373系は乗降口が広いためか、クハ372形のトイレ付近のドアに設置されています。設置時期は把握できていません。 
 373系(2020年11月撮影)
キハ85系と同じく箱に入れた状態で設置されています。


383系   383系はスキーボード置き場を利用して設置されています。設置開始時期は分かりません。 
383系  383系(2014年5月撮影)
何号車が記録がありませんが、確か基本編成5両目(サハ383-100番台)の荷物置き場に設置されています。箱から空けるスペースが無いため313系1次車と同じように箱なしで設置されています。

キハ75系  本系列はMc車(キハ75-0,200,400)の東海道線基準で中央ドアの山側においてあります。
 名古屋車両区で順次取り付けを行い、2013年10月地点では完了しています。 
キハ75系 キハ75系(キハ75-401)
313系3000番台と同様、トイレ前が座席であるため中央ドア付近に設置。立ち席スペースの少ないキハ75系、立ち客用のモケットをつぶさざるを得なくなってしまい、何とも微妙な結果に…。

キハ85系  同系は車いす対応座席のある車両の客室最前部に設置されています。
 理由は車いす対応座席前のスペースの余裕を活かしたいこと、編成を組んだ際に必ず組み込まれる車両であることからかと思われます。
キハ85系 キハ85系(2016年撮影)
車いす対応座席前の車いすを置くスペース前に設置されています。


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