最初に…名古屋市緑区の,とあるお寺のご住職のお話…
住職になって初めての8月6日にはビックリしました。夜が明けきらないうちから,墓地に沢山の人が
お参りにおいでになり,熱心にお墓を磨いて,さらには西瓜をお墓の前で食べる!
私は東京生まれで,大学を出てから,ん年前に名古屋に赴任するまで,ずっとカナダで暮らしていた
ので名古屋周辺のさまざまな慣習をほとんど知りません。
師僧から,この慣習について教えていただいてなかったので,いったい何事がおきているのか,わか
らず,ご近所の花屋さんに「むしょう参り」というものだと教えて頂きました。
「無聖参り」?「無精参り」?
「無精参り」
「精」…人間以外のものに潜んでいるといわれる魂・霊魂。精霊。
「無精」…この場合,まだ霊魂が戻ってきていないお墓ということ。
「無聖参り」
お墓は陰の気の多い場所であり,「聖ではない場所」になりやすく,「無聖」と言えます。
聖が無くなったお墓を掃除して清めれば「無聖」も「聖」になるのでしょう。
回顧…
このHPの管理者・つぼみが子どもだった頃(昭和30年代)鳴海では,むしょうに墓地の出入り口の
辺りに夜まで出店が並び,竹筒の花入れなどが売られていました。
地域で日にちは…
名古屋市緑区鳴海・近郊…8月6日。先祖を迎える準備としてお墓の一年の汚れを掃除する。
浜松市西区…8月14日の早朝“むしょうまいり”と言って墓参りに行く習慣がある。
奥三河…お正月前。お正月を迎えるためにお墓を掃除する慣習を「むしょう参り」という。
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