教科書に載っていた足利尊氏の肖像画は別人のものだった!

足利尊氏の肖像画

歴史上の人物が登場する高校の社会科教科書では
おなじみの肖像画が「別人」と判明して掲載されなく
なったり,説明を変更したりするケースが近年相次い
でいる。

たてがみをふり乱した黒馬にうちまたがった眼光鋭い
武者を描守屋孝蔵家所蔵の騎馬武者像(左図)ほど,
見る人をして南北朝の動乱のすさまじさを身近に感じ
させてくれる作品も少ない。それはこの騎馬武者像が,
敗戦の将に描かれているからかもしれない。
この守屋家本騎馬武者像の像主については,1920
年黒板勝美博士が「足利尊氏の画像について」という
論文で学界に紹介されて以来,長く足利尊氏をもって
あてるのが通説となっていた。

藤本正行氏による,「守屋家所蔵武装騎馬画像の一考
察 」(『甲冑武具研究』第32号 2010年 一般社団法
人 日本甲冑武具研究保存会)によれば,馬具の家紋
・花押で判断する限り,「尊氏」ではありえない。
馬具の家紋は尊氏の重臣の高師直(こうのもろなお)
のものであり,花押は二代将軍足利義詮のものである。


参考

波佐見町の偉人/黒板勝美

藤本正行/フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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