競馬関係の本


私がこれまでに読んだ競馬関係のほんの内、印象に残っているものをご紹介します。赤字は本からの抜粋です。
なお、発行はすべて初版の年月を記載しています。

競馬の血統学出版社;NHKライブラリー
著者;吉沢 譲治発行;平成13年10月定価;970円
下の「血とコンプレックス」が「悪魔の血統論」なら本書は「正統派の血統論」というべきでしょう。さすがNHK関係が出版する本です。
NHK競馬中継の解説者をつとめる吉沢氏が、現代に息づく主要血脈をわかりやすく解説し、特にサンデーサイレンス、及びその子供たちがどうして走るのかをわかりやすい例えを交えながら解きほぐしています。
血統の基礎的知識を取得するための最良の一冊です。

血とコンプレックス出版社;KKベストセラーズ
著者;中島 国治発行;平成5年6月定価;3,200円
まず「血とコンプレックス」という怪しげな題名が読者を驚かせます。
この本は、日本で「中島理論」と呼ばれる血統論の基本書です。中島氏はフェデリコ・テシオの直筆の記録を直接読み、この理論を確立したそうです。
すべての記述が自信に満ちあふれ、読むものを圧倒します。
中島理論のことを「悪魔の血統論」と呼ぶ人がいますが、このことはある意味で良く当たる(走る)という裏付けなのかも知れません。
血統が好きな方には、是非おすすめの一冊です。

巨泉 競馬界を斬る出版社;日刊スポーツ出版社
著者;大橋 巨泉発行;昭和52年11月定価;680円
旧態依然たる日本の競馬界の改革論を展開した斬新な本でした。巨泉氏は、ニッポン放送(ラジオ)で解説者をつとめていたときも、口を酸っぱくして競馬界の改革論を力説していました。
しかも、ゆっくりしたスピードでしたが昭和60年代から平成にかけての競馬界の改革は、巨泉氏の指摘したとおりに進んできたと思います。
今後の競馬のあるべき姿を考える上でも未だその輝きを失っていない一冊と言えるでしょう。

巨泉 競馬界を斬る PARTU出版社;日刊スポーツ出版社
著者;大橋 巨泉発行;昭和57年1月定価;750円
上の第1巻の改革論をさらに押し進めたものですが、どちらかというと巨泉氏の血統論が中心になっています。彼は、「いよいよ日本にもボールドルーラー系時代の幕開けか」とラジオで言っていました。
ところが実際には、巨泉氏の予想ははずれ、ボールドルーラー系は繁栄せず、ノーザンダンサー系の全盛を迎えることとなります。
折しも、この本は第1回のジャパンカップが日本勢の惨敗に終わったと時に書かれていますので、若干厭世的なところがありますが、巨泉氏の日本競馬を憂う心はよく伝わってきます。

馬体診断 勝つ馬の法則出版社;日本文芸社
著者;境 勝太郎発行;平成13年4月定価;1,400円
相馬眼を養うための基本的な知識が書いてあります。
境氏はサクラユタカオーを例に挙げ「おとなしい馬は良く走る」と言っています。多くの調教師が「気性が激しい馬の方が走る」と言っている中で特徴のある言葉でした。私の持っている馬はおとなしい馬が多いので心強く感じました(^^)
境氏は「立ち写真を見ればすべてがわかる」と言っています。私も早くそういった境地にたどり着きたいものです。

馬破れて草原あり出版社;新書館
著者;寺山 修司発行;昭和46年9月定価;980円
「死神」で始まる競馬随筆を集めたものです。

「人生には、答えは無数にある。ただし答えは一度しかできない。」
競馬も答えはひとつ。彼によれば「競馬は人生の比喩」ではなく、「人生が競馬の比喩」なのだそうです。

「実際に起こらなかったことも、歴史のうちに違いない。」
そうです。私の無数のハズレ馬券も歴史なのです(^^;

競馬無宿出版社;新書館
著者;寺山 修司発行;昭和48年10月定価;980円
報知新聞に連載されていた「寿司屋の政とトルコの桃ちゃん」のシリーズもの等が掲載されています。学生時代良く読みました。懐かしいです。

づくし>
本木で分かれてロックで別れた女 あのころおれはろくでなし
法全書も勉強したが ろくろく理解もできないで 文銭の歌など聴いていた
故郷じゃおやじのことをろくと言うが おれにはろくもいなかった
人家族の番目 の目ばかり追い続け
人の倍損をして 競馬無宿も落ちぶれた
今日は最後の流し (本より抜粋)

私の誕生日も昭和33年6月6日です(^^;

競馬への望郷出版社;新書館
著者;寺山 修司発行;昭和51年10月定価;980円

さらばハイセイコーで始まる随筆集です。

「花と咲くより踏まれて生きる 草の心が俺は好き」

「くよくよするな人生ならば いつか花咲く春が来る」

「帰る故郷があるならよかろ 俺にゃ故郷も友もない」

「人に好かれていい子になって 落ちていくときゃ一人じゃないか」

旅路の果て出版社;新書館
著者;寺山 修司発行;昭和54年5月定価;980円

さらばテンポイントで始まる随筆集です。 寺山氏の思い出にまつわる名馬ごとにまとめられています。

さらば テンポイント
目をつぶると 何もかもが見える
ロンシャン競馬場の満員のスタンドの
喝采に送られて出ていく
おまえの姿が

故郷の牧草の青草にいななく
おまえの姿が

サラブレッド血統辞典(全面改訂版) 出版社;二見書房
編者;山野浩一発行;昭和55年5月定価;1,600円
写真は化粧箱です。学生時代に買ったもので最初に私に血統知識を授けてくれた辞典です。
山野氏の個人的な見解も記載されており、読んでいるだけで楽しく、勉強になります。
特に本書には古い日本の血統も掲載されており、本当に重宝しています。
化粧箱裏側には、大橋巨泉氏の推薦文もあります。

サラブレッド血統辞典(全面改訂)出版社;二見書房
編著者;山野浩一/吉沢譲治発行;平成4年11月定価;2,600円
上記を全面改定したもので1992年11月に初版が出ています。今をときめく吉沢譲治氏も編著者に加わっています。
外国種牡馬132頭が加わり基幹種牡馬の特徴が調べやすくなりました。読んでいると勉強になります。