     
    
■茶席の和菓子屋ランキング■
|
「名古屋圏の茶会ではどの菓子屋がどのくらいの頻度で使われているのだろう」と思い立ち、集計したものである。
ひとまず平成17年に名古屋圏で行われた茶会の会記を集めたが、一定の質を保つため、
月釜では吉祥会・六日会・豊国・城山・桃丘会・知足会、
その他の茶会では名古屋茶道大鑑で紹介されている料亭や茶家、
或いは名古屋美術倶楽部や各美術館において、会記が印刷される規模で行われた茶会を対象とした。
熱田月釜や万博茶会など、菓子屋が固定されている月釜・茶会は除外した。
このような基準で集まったのは70会。
もちろん濃茶席・薄茶席などの「席ごと」にカウントするから、菓子屋の頻度の総計は70よりも多くなっている。
集計結果は以下の通りである。(同得点の場合は50音順)
これはあくまで名古屋の大寄せ茶会で使われる頻度ランキングであって、
名店ランキングではないことにご留意願いたい。
順位
|
店舗名
|
獲得数
|
1位
|
両口屋是清
|
33
|
2位
|
松華堂(半田)
|
19
|
3位
|
川村屋(新栄)
|
10
|
4位
|
美濃忠
|
9
|
4位
|
芳光
|
9
|
6位
|
川口屋
|
5
|
7位
|
ふくや
|
4
|
8位
|
川村屋賀峯
|
3
|
8位
|
万年堂
|
3
|
10位
|
梅屋光孝
|
2
|
10位
|
不老園
|
2
|
10位
|
むらさきや
|
2
|
一位は両口屋。断トツ、圧倒的である。
よくぞこれほど違ったバリエーションのお菓子を作り続けられるものだと感心する。
まさに名古屋随一の老舗の底力といったところか。
とにかく、70会のうち33席を獲得しているのだから、
「名古屋の茶会の菓子は、半分が両口屋」と言っても過言ではないことが分かった。
二位の松華堂も、半田という名古屋からは遠く離れた立地でありながら大したものである。
両口屋とのひらきは大きいが、三位以下とのひらきも大きいので、
「名古屋の茶会で使われる菓子屋の双璧は『両口屋と松華堂』」といえるだろう。
三位は川村屋。
決して知名度は高くなく、店構えはむしろ小さいのに、堂々三位にランクインである。
いかにこの川村屋の菓子が茶席に相応しいか、その質と味と技の高さを如実に物語っている。
続いて四位は、美濃忠と芳光(二軒同点なので両店ともに四位で五位は無し)。
三位との差はほとんどなく、六位以下とのひらきは大きいので、この五位までの店を取り上げて、
「名古屋の茶会でよく使われる代表的菓子屋は『両口屋・松華堂・川村屋・美濃忠・芳光』の五軒」と言えるだろう。
六位以下の店も、茶席での登場回数は上記五件に及ばないものの、
いずれも名古屋の茶人なら大抵誰もが知っている名店ばかりである。
今回集計を取ったような茶会に使用されるような菓子屋は、必然的に名店ばかりになるのだなぁと実感した。
名古屋の茶人は元より、和菓子好きならば、今回リストアップされた和菓子屋は是非一通り食べてみておきたい。
なお、名店ではあっても「大寄せ茶会の為の大量の和菓子を作れない(作らない)店」は今回のこのランキングには
含まれていない。この大寄せ茶会にどれだけ対応できるかというのは、今回のランキングの順位にも大きく影響している。
この点、よくよく御斟酌頂きたい。
《店舗データ》
店舗名
|
住所
|
HP
|
両口屋是清
|
中区丸の内3丁目14番23号(本店)
|
■
|
松華堂
|
半田市御幸町103番地
|
■
|
川村屋
|
中区新栄2-18-1
|
|
美濃忠
|
中区丸ノ内1-5-31(本店)
|
■
|
芳光
|
東区新出来1-9-1
|
|
川口屋
|
中区錦3−13−12
|
|
ふくや
|
一宮市開明字愛宕北60-1
|
|
川村屋賀峯
|
一宮市萩原町串作1449
|
|
万年堂
|
中区栄3丁目4-105
|
|
梅屋光孝
|
千種区桐林2-12
|
■
|
不老園
|
千種区末盛通1丁目31
|
|
むらさきや
|
中区錦2−16−13
|
|
地図で場所を確認したい時はこちら→
|
     
    
|