出稼ぎに行った娘っ子たちが村に帰ってきた
みんな無事に帰ってきたが,おはるだけはどうも様子がおかしい…
おはるのお嬶は,娘のお腹が大きくなったような気がしてならぬ。
お嬶は,ある日,思いきって娘を裏の小屋へ連れて行って,きつく聞いてみたと。
お 嬶…「ちょっくら聞きにくいことだけんども,おはる,出稼ぎに行って赤ん坊さ土産に持ってきたんと違うか」
娘のおはるは,しばらくモジモジしていたけんども,うなだれてポツリと白状した。
おはる…「あるいは……はあ,そうかも知れねえす」
お 嬶…「やっぱりそうじゃったか。そんで相手の男はどこのどいつじゃ!」
おはるは口を固く閉ざしておったが,やがて涙をいっぱい目に溜めて言っただ。
おはる…「となりのサキとスエが二人してぎっちり押さえつけて……」
お 嬶…「何!? 二人に押さえつけられて……無理やりだか!?」
「まっことサキもスエもけしからん娘っこじゃ。それで,男はどこのどいつじゃ?」
おはる…「二人で押さえつけたのは隣村の吾助ちゅう男で,いやじゃ,いやじゃと泣いておるのを,おらが上に乗ってしまっただ」
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