「間男をまっ二つにしてやるぞ!」と抜き身を提げて,屏風の裏を覗いた |
女房と間男が寝ている枕元に小判が八枚並べてあった。 |
亭主は,そっと次の間へ出て女房を呼んだ。 |
女房「なぁに?」 |
亭主「お前の針箱に,金を二分入れて置いたから,出してくれ」 |
十返舎一九:福種蒔より |
参考(いらぬお世話か?) |
浮気の現場を見付けたら「重ねておいて四つに斬る」,つまり女房も間男も殺して構わないことになっていた |
しかし,太平の世の安楽に慣れきっていた人間,特に町人にそんな勇ましいことが出来るわけもなく,示談金 で済ませるのが例だった。その金額は5両が相場(川柳独特の相場) 実際の相場は七両二分(大阪では五両二分)だったらしい… |
解説1両=4分。8両−7両2分=2分 |