この作品は18世紀以降「夜警」という通称で呼ばれているが,正式な名称は…
『フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ラウテンブルフ副隊長の市民隊』
現在はアムステルダムの国立美術館に展示されておりレンブラントおよびオランダ黄金時代
の絵画の代表作とされている〜〜等という解説はご自分で美術史を…
この絵は描かれてから長い年月が経ち,表面のニスが変色し黒ずんだため,夜の風景を描
いた絵であるという誤った印象を与えるようになった。20世紀に入り,二度の洗浄作業でニス
が取り除かれた際,絵は明るみを取り戻し昼を描いた絵であることが明らかになった。
なぜ,洗浄することになったのか…
『夜警』はこれまでに三度観客に傷つけられた。
一度目は1911年1月13日,船から解雇されたコックが,自分が無名なのにこの絵が有名であ
ることに腹を立てナイフで傷つけた。当時、絵は分厚いニスで覆われており,刃先はキャンバ
スを切り裂くことができなかった。
1975年9月14日,精神的に不安定だった元教師がナイフで絵に襲いかかり,ジグザグ状の切
り裂き傷を作ってしまった。絵は大規模な補修により元通りに直されたが,今でも前に立ってよ
く見ると当時の傷が残っているのがわかる。
1990年4月には精神を病んだ観客にスプレー状の酸を吹きかけられる事件が起きたが,警備
員が素早く水で洗い流したことで酸は絵画表面のニスを溶かしたにとどまり,絵は元通りに修
復された。
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