合目が等分されていないことがよく分かります。
広辞苑 第六版によれば,「登山の路程などを10分したその1」
となっていて,「十等分」となっていないのに感心させられれます。
横道にそれました…
山道に対して"合"という単位が用いられるようになったのは富士山
が最初のようです。この『合目』についての資料は大変少なく,
『富士の研究』全六巻・富士山本宮浅間神社社務所・昭和三年刊)
に見ることができます。
それには,次の五つの説が上げられています。
(1) 富士山は枡に入れた米を地上にあけたときの形に似ているので,桝
目を用いて一里を一合とした。
(2) 梵語の『劫』が『合』に変化した。つまり,富士登山の苦しさを人生の
苦難にみたて,その難しさを劫数⇒合目で表した。
(3) 富士山の祭神はコノハナサクヤヒメという女神であるので,生命誕生,
胎生十ヶ月を十合に分けた。
(4) 山頂のことを御鉢と言い,仏教用語でもおそなえする米を御鉢料と言
うところから、米にたとえて『合』で区分した。
(5) 昔から洪水の水量をたとえるのに『何合何勺』の水といったので,これ
にあてはめた。
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