「くらもちの皇子(藤原不比等)」だけを卑劣な人物として描いている。
以下『竹取物語』の一部を要約。
「くらもちの皇子」は,策略にたけた人で,朝廷には「湯治に出かけます」と言って休暇を願い
出て,人々には出発したと見せかけて戻り,鍛冶細工師六人を召し寄せ,かぐや姫が言って
いたものと寸分たがわないもの作り上げた。
出来上がった「玉の枝」をかぐや姫の元へ届け,如何に苦労したか,言葉たくみに話し始めた。
竹取翁は本物だと思い込み,寝床の支度まで始める。そこに,職人たちが「食うものも食わず,
千日余りも力を尽くしたにもかかわらず,報酬を受け取っていない」また「出来上がったら官職
も授けようとも言った」そもそも「蓬莱の玉の枝」が欲しいと言ったのはかぐや姫だから,報酬を
払って欲しいと訴え出た。かぐや姫はただちにこれを返品し,職人たちには褒美を与えた。
「くらもちの皇子」は闇に紛れて逃げだし,家来に命じ,職人たちを待ち伏せて血が出るほど殴
り,職人たちから褒美を奪い,捨ててしまった。
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