安楽椅子



安楽椅子探偵って何?
 アームチェア・ディテクティヴとも呼ばれます。実際に現場に赴くことなく、新聞や関係者から得られる情報だけで推理を展開するのがこのジャンル。

 オーソドックスなパターンとしては、先ず不可解な事件が発生します。それが兎に角不可解で、捜査にあたった人は困ったり、悩んだりしてしまうんですね。で、誰かにちらっと相談する…と、その人が会話の中から推理してたちどころに解決を与えてくれる。こんなんです。

 このジャンルの特徴は、「探偵役が読者と同じ情報しか得られない」ってコトです。そうでない場合もありますけど) 探偵役に話を持っていく人も読者も「う〜ん、う〜ん、何でだろぅ、変だなぁ」って悩んでいるのをあっさりと解決しちゃう。そこに醍醐味があります。
 逆に欠点は机上の空論であること。推理が展開された後「○○を調べてみると良いんじゃないですか?」って感じで終わることが多いんです。「結局探偵役の推理した通りで云々…」とか。探偵役が推理したのは可能性の一つに過ぎず、そこに裏付けは何にもない。だから気を付けないと何でもありになっちゃうんですね。

 歴史は可成り古いです。エドガー・アラン・ポー『マリー・ロジェエの怪事件』が最も古い作品ではないかと。探偵小説の誕生とほぼど同時期ってことですね。
 このジャンルの代表的作品は、ジェームズ・ヤッフェ「ママ」のシリーズ。日本では都筑道夫『退職刑事』鮎川哲也「三番館」シリーズが有名です。現在も色々な作家さんが多くの作品を生み出しています。日常のミステリィとの相性も良い様ですね。



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