日常のミステリィ



日常のミステリィって何?
 人の死なないミステリィとも呼ばれるこのジャンル。日常のありふれた謎、とは云っても現実世界のことではありません。お話の中でキャラクタが感じた日常の些細な謎や疑問、それを解決するほのぼのとした優しい作品が多く存在するジャンルなのです。

 海外ではアガサ・クリスティ「ミスマープル」アイザック・アシモフ「黒後家蜘蛛の会」と古くから良作が溢れています。それに対し、日本ではあまり積極的に書こうとする人もいなかったみたいですね。

 そんな中、一人の作家がデビューして注目を集めました。北村薫です。著書の覆面作家シリーズ円紫師匠と私シリーズは多くの読者を魅了し、また多くの作家にも影響を与えます。加納朋子光原百合らが続き、このジャンルは現代ミステリィを語る上で欠かせないものとなりつつあります。

 現状はと云いますと、このジャンルの作品を着実に書き続けている作家は意外と少なく、北村薫も色々な方面の作品を発表していて、第一人者は加納朋子へと移って来ていると思います。連作短編集が多いのもこのジャンルの特徴の一つではないでしょうか。



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