バロネス・オルツィ
<隅の老人シリーズ> |
隅の老人の事件簿 (創元推理文庫) |
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隅の老人の事件簿 |
ストーリィ
正体不明の老人と、女性記者の会話が謎を解き明かします。
「フェンチャーチ街の謎」:過去を黙っている代わり金銭を要求した男が殺される 「地下鉄の怪事件」:地下鉄で毒殺された夫人 「ミス・エリオット事件」:喉元を切り裂かれた女医の手には凶器が握られていた 「ダートムア・テラス悲劇」:遺産を実子に渡さないために養子を取るが… 「ペブマーシュ殺し」:姪が出掛けていた間に伯母は殺されていた 「リッスン・グローヴの謎」:身体の不自由だった老父が無惨に殺害された 「トレマーン事件」:馬車に乗ったまま殺されていた男 「商船<アルテミス>号の危難」:ロシアへ武器を届けるための安全水路が盗まれる 「コリーニ伯爵の失踪」:遺産を受け継いだ少女の結婚相手が姿を消す 「エアシャムの悲劇」:婚約不履行で5000ポンドを…と口にしていた老父が殺害される 「《バーンズデール荘園》の悲劇」:ブリッジで作った借金と殺人 「リージェント・パークの殺人」:首を絞められ銃で撃たれた男が見付かる 「隅の老人最後の事件」:スタジオの管理人の女性が殺される |
感想
名前すら分からない奇妙な老人。ABCショップのコーナに座り、手には紐。女性記者のポリーに事件の話を(どこか挑発的に)しながら、紐を奇妙に結んだり、ほどいたり。とっても魅力的な探偵です。「フェンチャーチ街の謎」は、とにかく巧妙。謎を深めた幾つもの伏線やアイテム。そして無駄が一切ありません。脱帽。その他の作品も、それぞれにシャープ。視点を変えたり、他の人が注視していないところに目を付けることで、謎を解いていきます。そして「最後の事件」。この終わらせ方が絶妙です。謎の老人を登場させ、こう云う収束をさせるところが何ともニクイです。
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