青井夏海
<ノンシリーズ> |
陽だまりの迷宮 (創元推理文庫) |
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陽だまりの迷宮 |
ストーリィ
11人兄弟の末っ子として生まれた生夫。両親は共に子連れの再婚で、姉は9人、男が1人の大家族。そんな家族の周囲で起きた日常の謎。それを明らかにするのは下宿人のヨモギさん。子供の頃の想い出が今蘇る、連作短編集です。
「黄色い鞄と青いヒトデ」:自転車の衝突と、無くなった鉄道模型 「届かない声」:頻繁に掛かってくる無言電話と、姉夫婦の喧嘩 「クリスマスのおくりもの」:玄関に置かれていた絵本 |
感想
11人兄弟。あまりの多さに悲鳴を上げたくなりますが、それなりに上手くやっている感じ。人物がごちゃごちゃになる、と云うこともありません。この手の作品にありがちな「最初に全ての人物を紹介する」と云うことがないのです。簡単な説明はありますが、詳細は必要に応じ、その人の出番が来たところで行われるので受け入れやすい。そして迷いません。不思議な存在、ヨモギさん。彼は決して積極的に物事を解決しようとせず、常に他人事を装う雰囲気です。しかしそれも十分に納得できる結末が用意されていました。
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